鍼灸治療を上手に利用して頂くためにお教えします。鍼灸治療の効果と注意点とは?

鍼やお灸は神秘的な治療ですよね。

そんな鍼灸治療にはどんな効果があり、どんな注意点が有るのでしょうか?

今回はそんな鍼灸治療の効果や注意点につい考えてみたいと思います。

解剖学・生理学、そして個人的に知っている鍼灸の研究結果の信憑性などを考慮し述べています。

患者様がそういった知識を持つことは、鍼灸治療を上手に利用し、健康な体に改善する為の第一歩だと思いますので、よろしければ最後までご覧ください。

鍼灸治療の効果

ではまず鍼灸治療の効果から解説していこうと思います。

ツボ(経絡)の効果について

まず最初に述べるのは、鍼灸治療の代名詞ともいえる『ツボ』についてです。

ツボとは『経絡』とも言い、その場所に治療をすると身体に様々な良いことが起きると言われているものです。

その効果は肩こりなどの痛みから、内科的な病まで様々な体の不調に効果があるとされています。

これは神経のつながりから患部や内臓に良い影響を与えるという考え方や、気の流れというファンタスティックな考え方なども有ります。

しかし、実はこの『ツボ』は、効果に科学的根拠が示されていません。

ですから、ツボを使った治療に関しては、どのように身体に作用し、どのような効果が有るのかは解明されていないのが現状です。

ただ、実際に効果が有る人もいるので、現代医学では解明されていない何かが、鍼やお灸には有るのかもしれませんね。

筋肉の緊張を和らげる

次に筋肉の緊張を和らげる効果についてです。

鍼やお灸の治療を受けると、気持ち良いですね。

この気持ち良さが自律神経のうちの副交感神経を活発にします。

この身体がリラックスしている時は、神経やホルモンの関係から筋肉の緊張が和らぐのです。

この様に鍼灸治療は身体をリラックスさせる効果も有るんですね。

血流の促進

鍼灸治療の効果として次に考えられるのが血流の促進です。

鍼やお灸の治療を受けた時の刺激で血流が促進されます。

また、『気持ち良い』と感じることで身体は副交感神経が活発になります。

その様に副交感神経が活発になる時は、体中の毛細血管が広がり血流が良くなるのです。

この様に、鍼灸治療では血流を良くする効果が有るんですね。

痛みの緩和

鍼灸治療では痛みを緩和する効果が有ります。

鍼やお灸では、『鍼を刺された時の刺激』や『お灸をした時の熱さ』といった刺激が身体に加わりますね。

この刺激により身体が刺激に慣れることで、本来感じるはずの痛みを感じにくくなるのです。

また鍼を打つとアデノシンという物質が局所的に増加します。

このアデノシンという物質は痛みを感じにくくさせる効果があるため、この物質が増えることで痛みを緩和するという効果も鍼治療には有るんですね。

ちなみに、鍼灸治療では

  • 『効く~』と言いたくなるくらいの治療
  • 痛いくらいの治療
  • 熱すぎるくらいの治療

と言った様に刺激の強い治療方法も有りますね。

その様に治療の刺激が強いと、より痛みを感じにくくなる傾向にある為、強い刺激の鍼灸治療の場合はとても効いた様に感じ、痛みもより軽減し易いです。

しかし、強い刺激の治療は体に悪影響を与えてしまう可能性も有るので注意が必要です。

ちなみに『強い刺激の治療が悪影響を与えてしまう可能性が有る』ということについて解説した記事も書いております。

強い刺激による体への悪影響について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。

免疫機能の改善

鍼灸治療は免疫力の改善効果も有るようです。

先ほども述べましたが、鍼灸治療で『気持ち良い』と感じ、リラックスをしている時は副交感神経が活発になっている時です。

この副交感神経が活発になっている時は、コロチゾールというホルモンが減るのですが、このコルチゾールというホルモンは免疫力の低下をさせるホルモンです。

ですから鍼灸治療をし、リラックスをすると副交感神経が活発になり、体の中のコルチゾールが減っていきます。

その結果、免疫力の改善につながるんですね。

根本的な痛みの改善をしている訳ではない

ここまでお話をしてきた様に、様々な効果のある鍼やお灸の治療ですが、身体の健康を根本的に改善する治療では有りません。

例えば慢性的な痛みの場合、姿勢や関節の可動域などに原因が有る場合が多いです。

しかし、鍼やお灸の治療は、それらの原因を改善する効果が有りません。

そういったことから考えると、鍼やお灸は根本的な原因の改善をするものでは無く、

『痛みを一時的に緩和させる治療である』

という事が言えるのです。

さらに健康に関しても同じことが言えます。

血流を良くするにしても筋肉の緊張を和らげるにしても効果は一時的で、根本的な原因が改善されていなければ、時間が経つことですぐ元に戻ってしまいます。

ですから、

  • 根本的に痛みを改善したい
  • 痛みの出にくい身体にしたい
  • 健康的な身体を維持したい

といったことを目標にする場合は、鍼やお灸の治療以外の方法を行う事も大事になってきます。

鍼灸治療は一時的に痛みを改善したい人に向いている

様々な治療効果のある鍼灸治療ですが、根本から身体を改善し、常に健康な身体を維持する治療では有りません。

ですから

  • 一時的に痛みを改善したい
  • 一時的に健康を増進したい

と言った考え方を持った人にはとても向いている治療と言えるでしょう。

しかし、根本から身体を改善することで

  • 痛みの出にくい身体にしたい
  • できるだけ長い時間健康な身体を維持したい

と言った考え方を持っている人には向いていないと言えるでしょう。

鍼灸治療を上手に使う為の具体的な例

ではここまでお話ししてきたことを踏まえた上で、『鍼灸治療がどのような時に効果的』なのかを解説していこうと思います。

外傷(ケガ)の改善

外傷とは骨折・捻挫・肉離れなどの様な、いわゆるケガのことを言います。

鍼灸治療ではそういったケガに対しては、ある程度の効果が得られるのではないかと考えています。

患部の痛みを緩和するという事も有りますが、鍼やお灸をして貰うことでリラックスできれば、その結果ケガの回復が早くなってもおかしくありません。

とはいえ、科学的に分かっていることから考えると、全治3週間のケガが3日で治るなどという事は無いと思いますので、その辺りは勘違いをしないで頂きたいと思います。

また鍼灸治療のケガに対する効果はリラックスすることで得られる効果です。

ですから、強すぎる刺激の鍼灸治療をしてしまうと逆効果になってしまう可能性が有りますので注意が必要です。

再発予防

では次に鍼灸治療にはケガや痛みの再発予防効果は有るのか?ということについてです。

個人的には鍼灸治療には再発予防効果は無いのではないかと考えています。

ケガや痛みの再発予防をする為には、姿勢・関節の可動域・筋肉の動かし方を正常に保つ必要が有ります。

しかし、鍼灸治療には姿勢や関節の可動域を正常に保つ効果は有りません。

その様なことから鍼灸治療では再発予防効果は無いという事が言えるでしょう。

慢性的な痛みの改善

次に慢性的な痛みに対して鍼灸治療は有効なのかについて解説していきます。

慢性的な痛みは根本的な原因に姿勢・関節の可動域・筋肉の動かし方に問題が有る場合がとても多いです。

しかし、鍼灸治療では姿勢などを改善する効果は有りません。

ですから、鍼灸治療は慢性的な痛みを根本から改善することは出来ないと言えるでしょう。

しかし、鍼灸治療は痛みを一時的に緩和することに関しては優れています。

ですから、慢性的な痛みを一時的に緩和することに関しては有効であると言えるでしょう。

リラクゼーション

では最後に『鍼灸治療はリラクゼーションを目的とした場合有効なのか?』という事について解説してきます。

リラクゼーションとは、体をリラックスさせることで体に様々なメリット与えるという方法です。

鍼灸治療では、体をリラックスさせる効果が期待できるので、リラクゼーションを目的とした場合、鍼灸治療は有効だと言えるでしょう。

しかし、強い刺激の鍼灸をしてしまうと、体はリラックスしないどころか、交感神経が活発になり逆効果となります。

ですから、そういった刺激の強さに関しては注意する必要が有るでしょう。

まとめ

ここまで述べてきた様に、様々な効果とメリットのある鍼灸治療ですが、完璧な治療という訳では有りません。

ですから自分が治療に求める考え方を整理し、自分の考えと鍼灸治療が有っているのかを考えることも大事です。

そして、その様な『鍼灸治療が自分に合っているのかどうか?』を一度整理する時に、今回お話ししたことを参考にして頂けたらと思います。

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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