膝の痛みに悩まされているランナーに知っておいて欲しい。ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは?

写真:GAHAG

これはマラソンランナーたちの足ですね。

ということで。

今回はマラソンランナーに良くある痛み。

その中でも膝の痛み。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)について書いていこうと思います。

腸脛靭帯炎とは

腸脛靭帯炎とは腸脛靭帯というスジに炎症や損傷が起き痛みを発するスポーツ障害です。

長時間走ることが多いと起きやすいです。

そんな腸脛靭帯が有る場所を絵で説明するこの辺り。

この絵は太ももを外側から見た絵ですね。

そして青○で囲んであるのが腸脛靭帯です。

モモの外側にあるんですね。

この腸脛靭帯に炎症や損傷が起き、痛みにつながります。

症状

腸脛靭帯の症状は

・走ると痛む
・階段の昇降時に痛む
・膝の曲げ伸ばしをすると痛む

というものです。

ちなみに痛みが出る場所を絵で見るとこの辺り。

この青い○で囲んである部分に痛みが出ることが多いです。

膝の外側が痛くなるんですね。

原因

ランナー膝の原因は長時間、腸脛靭帯と骨が擦れることだと言われています。

腸脛靭帯と擦れてしまう骨を絵で見てみるとこの辺り。

青○で囲んである骨が腸脛靭帯と擦れると言われている場所です。

この部分と腸脛靭帯が擦れることで炎症や損傷が起きてしまうんですね。

ちなみにこの摩擦力はフォームによっても変化します。

つまり走るフォームによっては摩擦力が大きくなるということです。

ですから走るフォームは腸脛靭帯炎になる確率を上げる要因になるということです。

治療方法

腸脛靭帯炎の治療は基本的に保存療法(手術をしない治療)を行います。

その中でも特に大事になってくるのが腸脛靭帯への負担を取り除いて上げることです。

そんな腸脛靭帯への負担を取り除くための方法は

・休む
・テーピングやサポーターで補強する
・筋肉のバランスを良くする

といったものが有ります。

休むことで負担を減らす

まずは「休む」という方法です。

休むことで腸脛靭帯にかかる負担を減らします。

ちなみに休むことが可能な人は、できれば休んで頂きたいです。

腸脛靭帯炎になっているような体の状態は疲労もかなりたまっています。

その様な状態の時にトレーニングをしても非常に身に付きにくいです。

ですから練習の効率を上げるためにも休むということは重要になってきます。

ただし、休むだけでは再発の予防はできません。

ですからトレーニングを再開した時に、腸脛靭帯に再び負担が掛かり始め、再発するということも少なくありません。

その様なことから、休んで症状を改善した後に、予防のための「+α」が大事になります。

テーピングなどで補強する

次にテーピングなどで補強する方法です。

この方法は痛みが出る動きをテーピングなどで制限することで患部の負担を減らす方法です。

テーピングを使うことの最大のメリットは「トレーニングを休まないで済む」という点にあると思います。

しかし、テーピングは動きを制限するものでもあります。

「動きが制限されることでフォームが変わり、他の場所に負担が掛かり易くなる」というデメリットも有るので、本当の再発予防とは言い難いです。

筋肉のバランスを良くする

前述した通り、ランニングのフォームで腸脛靭帯と骨の摩擦力が変化します。

そんなランニングフォームを筋肉のバランス整えることで変化させ、腸脛靭帯への摩擦力を軽減させる方法です(筋肉のバランスをどのように整えるかは個人差が有ります)。

ただしこの方法は、今まで使っていなかった筋肉を使うことでもあります。

体力的に辛いことをする訳では有りませんが、その代わり患者さん自身の「集中力」や「継続する力」が大事になってきます。

ですから他の方法に比べると、患者さんは少し大変かもしれません。

しかし、筋肉のバランスを整えることは、再発予防にも絶大な効果が有りますし、競技のパフォーマンスを上げることにもつながります。

その様なことから、筋肉のバランスを整えることが理想的だと考えています。

競技復帰までの注意点

腸脛靭帯炎の場合、競技に復帰する時に気を付けて頂きたいことが有ります。

それは、「いきなり長時間のトレーニングを行わない」ということです。

いきなりキツいトレーニングを行うとトレーニング終盤には疲労がたまり必ずフォームが崩れるからです。

そしてフォームが崩れると腸脛靭帯炎は再発してしまいます。

ですからフォームが崩れない程度のトレーニングで様子を見つつ、徐々にトレーニングの強度を上げていくことが理想的です。

治療期間

腸脛靭帯炎から元のトレーニングに復帰できるまでの期間は個人差が有りますが2~4週間くらいが目安です。

ちなみに筋肉のバランスは管理しないとすぐに崩れてしまいます。

ですから競技に復帰した後もセルフケアなどで筋肉のバランスを管理していく必要があります。

まとめ

この様な腸脛靭帯炎は再発なども多いスポーツ障害です。

しかし、患者さんの頑張り次第では早期改善、再発予防ができるものです。

ですから治療に関しても色々とトライして頂けたらと思っています。

 

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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