ダイエットで良く聞く有酸素運動は「クレブス回路」と「電子伝達系」。
写真:GATAG
写真の女性はエクササイズをしているようですね。
完全な有酸素運動ですね。
ということで今回は有酸素運動時のエネルギー供給について。
「有酸素運動時はどんな回路なのか?」
それを簡単に書いていこうと思います。
目次
クレブス回路
有酸素運動時にATPを再合成する機構にクレブス回路というものがあります。
前回のブログでも書きましたが、有酸素運動時に起こる遅い解糖では、グルコースやグリコーゲンといった糖質から最終的にピルビン酸というものができます。
このピルビン酸がアセチルCoAというものに変化しクレブス回路に入り、様々な反応を起こすことでATPを再合成します。
クレブス回路の次のATP再合成機構、「電子伝達系」
ちなみにクレブス回路の反応により
・NADH(還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)
・FADH₂(還元フラビンアデニンジヌクレオチド)
という分子ができます。
これらの分子は水素電子を電子伝達系という機構に運ぶことでATPの再合成を行います。
ちなみにこの電子伝達系は有酸素運動時のATP再合成機構の最終段階となります。
脂肪やタンパク質もクレブス回路に入ることでエネルギーを生産する
脂肪やタンパク質もクレブス回路に入ることでエネルギーを供給することができます。
脂肪は脂肪酸となり、さらにアセチルCoAに。
タンパク質はアミノ酸からアセチルCoAとなり、クレブス回路に入ることでATPを再合成します。
クレブス回路と電子伝達系は酸素を使う
このようなクレブス回路と電子伝達系は酸素を使います。
ですからこの二つを合わせて酸化機構といいます。
有酸素運動時の酸素はこの二つの機構で使われるということですね。
酸化機構は遅いが持続力が凄い
ちなみにこの酸化機構はATPの合成速度が遅く、短い時間では少ししかATPを合成することができません。
しかしホスファゲン機構や解糖と比べると、とても長い時間ATPを合成し続けることができます。
ですからウォーキングやジョギングなどは飽きなければかなり長い時間続けていられるんですね。
運動の強度が低いと酸化機構でも脂肪重視になる
ちなみに運動の強度が軽いと脂肪を使う割合が多くなります。
つまり「ウォーキングやジョギングなどの方が、速いペースで走るよりも脂肪を使う割合が高くなる」ということです。
そういったことからダイエットでは「強度の軽い運動(ジョギングやウォーキング)を長時間続けた方が良い」と言われています。
しかし、実際はそんなに単純で簡単なことではないので、軽い運動をしている方が痩せやすいとは言えないのです・・・。
ちなみに運動時にタンパク質でエネルギー供給をすることはとても少なく、ほんの僅かです。
まとめ
こんな感じで運動中のエネルギー基礎について書いてきました。
こういった基礎知識を持つことは「運動のパフォーマンス向上」や「ダイエット」を行う上でも損にはならないと思います。
ですから少しでも運動をする参考になればと思います。
ということで。
それでは皆さんまた次回♪
この記事を書いた人
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施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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