膝の痛み(半月板損傷)

写真:ソザイング

サッカーの試合中の写真ですね。

ということで、今回はサッカー選手にも多いケガ。

半月板損傷について簡単に書いていこうと思います。

半月板とは

半月板とは膝の動きを円滑にするための組織で大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に有りクッションの役割を果たしている組織です。

ちなみに半月板を絵で見てみるとこんな感じ。

この絵は膝を横から見た絵です。

向かって左が前(お皿のある方)です。

そして青い丸で囲んである白いものが半月板ですね。

ちなみに断面図はこれ。

青い○で囲んだ馬の蹄(ひづめ)のような形をしているのが半月板です。

向かって左が内側の半月板。

右が外側半月板。

そんな感じで半月板は膝の中に二つあります。

このように膝の間(太ももの骨とすねの骨)の間にあり、膝にかかる衝撃を和らげたり、膝が滑らかに動くようにしています。

そして、この半月板が損傷してしまうのが半月板損傷です。

半月板損傷の原因

半月板が損傷する時はスポーツ中が多く「膝を曲げた状態で膝が回るように捻られた時」に受傷することが多いです。

例えば

・ジャンプした時にバランスを崩して着地した
・ラグビーで横からタックルをされた
・バランスを崩しながら踏ん張った

といったような感じです。

ちなみに内側の半月板は可動性が少なく、損傷しやすいと言われています。

持続的に半月板に負担がかかり損傷するパターンもある

半月板に持続的な負担がかかり続けることで損傷するパターンもあります。

例えば

・膝に負担が掛かりやすいフォームで走り続けた結果、半月板を痛めた

というような感じです。

このような原因で痛めた場合は膝への負担を減らすために、フォームの改善などを行う必要があります。

前十字靭帯断裂の影響で半月板損傷を起こすパターンもある

前十字靭帯を断裂した場合、関節が不安定になってしまいます。

関節が不安定になると、関節がずれやすく半月板が骨と擦れてしまいます。

その結果、半月板損傷につながって今うこともあります。

症状

半月板損傷を起こすと「膝の曲げ伸ばし」をした時に痛みが出たり、引っかかり感を感じることが多いです。

ひどいものになると、激しい痛みと共に膝が動かなくなることもあります。

ちなみにこの膝が動かなくなる状態を「ロッキング」といいます。

治療方法

治療方法には

・手術
・保存療法(手術をしない方法)

といった二つの選択肢があります。

手術

手術には

・損傷した部分を切る取る手術
・損傷した場所を縫い合わせる手術

といった二つのパターンがあります。

半月板は膝の中心部に近い場所を損傷した方が予後が悪いです。

ですから内側の方を損傷した場合は手術の可能性が高くなります。

また損傷部位が外側でも、損傷面積が大きかったり、保存療法の経過が良くない場合は手術をすることがあります。

ですが最近は手術を進められることが昔よりも少なくなっていて、まずは保存療法で様子を見ることが多くなってきています。

保存療法

保存療法は

・患部の固定
・物理療法

・運動療法

などを行います。

患部の固定

患部が動かないようにする方法です。

患部を固定することで半月板が悪化することを防ぎます。

ただし、できそうな運動は行った方が良く、固定をしている時期でも適度な運動療法を行うことで症状が改善できます。

物理療法

電気治療や温める治療などのことです。

血流を良くするなどの効果で患部の回復を促します。

再発の予防や、運動機能の回復ができる治療ではないので、運動療法と同時に行うことが多いです。

運動療法

筋肉を鍛えたり、関節を動かしたりする方法で、運動機能の回復や再発予防には必要です。

運動療法には「ストレッチ」「筋肉トレーニング」などがあります。

最近の医学の研究から、保存療法で半月板損傷を改善しようとした場合、特に運動療法が重要だということもわかってきました。

運動療法で大事なこと

運動療法では患部以外の筋肉も鍛え、体のバランスが良くなる様なトレーニングができると理想的です。

体のバランスが良くなれば、半月板に掛かる負担が減るからです。

鍛える場所は一人ひとり違うので詳細を書くことができませんが、的確にトレーニングができれば非常に高い効果が期待できます。

治療期間

保存療法の場合、治療期間は1~3か月くらいであることが多いです。

ちなみに焦りから復帰の時期を早めたりすると悪化してしまい結果として競技復帰が遅れてしまうこともあります。

そういったこともあるので、焦らずじっくり治療していくことをお勧めします。

まとめ

半月板損傷はしっかりと治さなければならないものです。

スポーツ選手もしっかりとした治療計画に従うことで競技復帰できている人が多いです。

ですから焦らずしっかり治していきましょう。

 

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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