腰痛・坐骨神経痛でお悩みの方に知っておいて欲しい。腰部椎間板ヘルニアの原因と治療方法。

画像:プロメテウス解剖学アトラス

『お尻から足にかけて痛む』
『慢性的な腰痛に悩まされている』
『腰からお尻にかけて痛みがある』

そんな腰痛や坐骨神経痛の原因の一つと言われている腰部椎間板ヘルニアに悩まされている方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな腰部椎間板ヘルニアとは何なのか?について書いていこうと思います。

腰部椎間板ヘルニアとは?

腰部椎間板ヘルニアを理解するためには、まず『椎間板』について知らなければなりません。

椎間板とは簡単に説明すると『背骨と背骨の間に有るクッションの役割を持った組織』です。

その椎間板を説明するための絵がこちらです。

画像:プロメテウス解剖学アトラス

この青○で囲んである灰色の部分が椎間板(椎間円板)です。

椎間板はそれぞれの背骨の臼の様な部分(椎体)の間に有り、クッションの役割を担っています。

この椎間板の中には髄核というゼリー状の物質が入っており、この髄核が飛び出ることで神経を圧迫し症状が出てしまうのが椎間板ヘルニアです。

ちなみに髄核が飛び出ている様子を取った画像がこちらです。

赤い矢印の部分が飛び出ているのがわかりますね。

このように椎間板が飛び出してしまうことで脊髄や神経を圧迫してしまうのです。

症状

この腰部椎間板ヘルニアの症状には以下のようなものがあります。

  1. 腰痛
  2. 臀部から足にかけてのしびれ
  3. 坐骨神経痛
  4. 大腿神経痛
  5. 排尿・排便障害(排尿が上手くできない・漏れてしまうなど)

これらの症状のどれかが出ている場合は腰部椎間板ヘルニアであると診断されることが多いです。

治療方法

そんな椎間板ヘルニアの治療方法は以下のようなものがあります。

  • 手術療法
  • 保存療法

大きく分けるとこの二つの治療方法となります。

ではそんな治療方法についてもう少し詳しく説明していきます。

手術療法

手術療法はそのままの意味で、手術をする治療方法です。

椎間板から飛び出した髄核を手術で切除するといったものが一般的です。

しかし、最近の研究から『ヘルニアによる腰痛や坐骨神経痛は手術をしなくても治る』と言われています。

そのため、坐骨神経痛や大腿神経痛、腰痛、足のしびれなどの症状が出ている場合は保存療法で治療をすることをおススメします。

但し、症状に『排尿・排便障害が有る場合』は緊急手術となりますので、排尿や排便のコントロールが上手くいかない時はすぐに病院に行き、医師に相談するようにして下さい。

保存療法

次に保存療法についてです。

保存療法には以下のような治療が有ります。

  • 神経ブロック、薬物療法
  • 物理療法
  • 運動療法

それぞれの治療効果は簡単に説明すると以下のようなものになります。

神経ブロック、薬物療法

麻酔薬を注射することで痛みを和らげる方法(神経ブロック)や、痛み止めの薬を飲むことで痛みを和らげる方法(薬物療法)です。

痛みを和らげる効果はありますが、根本的な治療にはならず、痛みへの対症療法となります。

ですから、一時的に痛みが取れているだけであることを認識し、できれば根本的な治療である運動療法なども並行して受けることが理想的です。

物理療法

患部に電気を流して痛みを和らげたり、腰を機械で引っ張り圧迫された椎間板への負担を取ると言った様に機械で症状を改善していく方法です。

この物理療法も、痛みを和らげることや血流を良くすることが一番の効果と言えるでしょう。

物理療法も、痛みに対する対症療法なので、できれば根本的な治療となる運動療法を行う事が大事になってきます。

運動療法

運動を行い姿勢や筋力などの体の機能を改善することで症状を改善する方法です。

具体的な方法としては、腰の周辺に有るインナーマッスルなどを鍛える方法などがあります。

腰周辺のインナーマッスルは腰椎を安定させる役割があり、椎間板がつぶされないようにする効果が有ります。

ですから、インナーマッスルをトレーニングすることで腰が安定すると、薬や電気を当てなくてもヘルニアの症状は良くなるため、運動療法は保存療法の中では最も根本的な治療と言えるでしょう。

ただし、運動療法で根本的な治療を行う場合、治療期間はそれなりに長くなります(当院では平均三か月程度です)。

ですから、電気治療などで痛みを和らげながら、運動療法を行い根本的に症状を改善していくことが理想的です。

まとめ

腰部椎間板ヘルニアは運動療法で症状が改善できることの多い痛みです。

根本的に腰部椎間板ヘルニアを改善することができれば、電気治療や薬、そして手術に頼らなくても済みます。

※前述した通り手術をした方が良い場合も有ります。

勿論、運動や姿勢の改善で治すことは、患者さんが地道に治療やセルフケアを継続する必要があります。

しかし、身体を根本から治すことは、症状の改善だけでなく、健康な身体を手に入れるということでもあります。

ですから健康で充実した生活を手に入れるためにも、運動療法や姿勢を改善することにトライして欲しいですね。

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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