肩こりや腰痛に悩まされている時に行う治療の一つに、姿勢矯正があります。

この姿勢矯正には骨をポキポキ鳴らすものや、逆に音を鳴らさないものまで様々な方法が存在します。

では、そんな姿勢矯正の時に『ポキポキ』と音が鳴るのは何故なのでしょうか?

今回はそんな『ポキポキ』と鳴るメカニズムを解説し、理解して頂いた上で

  • 姿勢矯正とは何なのか?
  • 姿勢矯正の活かし方とは?
  • 姿勢矯正という施術を受けるメリットとは?
  • 矯正を受ける時の注意点とは?

ということについても書いていこうと思います。

これらの姿勢矯正についての本質を理解することで『姿勢矯正』という治療を上手く利用することにも繋がると思います。

また姿勢矯正だけではなく、骨盤矯正や整体についても同じことが言えますし、応用が利く知識でもありますのでよろしければ最後まで読んでみてください。

なぜ姿勢矯正ではポキポキと音が鳴るのか?

それではまず『なぜ姿勢矯正ではポキポキと音が鳴るのか?』という事について説明をしていこうと思います。

この関節がなる時のメカニズムは完全に解明されたわけでは無いのですが、その中でも最も有力なのが

『関節の中に気泡(空気の泡)ができて、その気泡が弾けた時の音』

という説です。

このメカニズムを理解する為には『関節の構造』について最低限の知識を得ることが大事となります。

ということでまずは関節の構造から説明をしていこうと思います。

人の関節の構造

では早速、『人の関節がどうなっているのか?』ということの説明からしていこうと思います。

関節とは骨と骨が接している部分のことで、指や肘や肩など曲がったり動いたりする場所のことです。

ではそんな関節をより理解して頂くために、イラストでいくつかの関節を紹介していきます。

まずは肩関節です。

肩関節は上の絵で水色の○で囲んであるところで、肩甲骨と上腕骨が接する場所です。

一般的に『肩』と言われる場所ですね。

次に椎間関節です。

椎間関節は背骨同士が接する関節です。

背骨の矯正でポキポキ鳴るのは、この椎間関節が関与しています。

最後に指の関節です。

このように骨と骨が接する場所を『関節』と言い、身体に沢山あります。

そして、その関節のほとんどは、関節包という袋状の組織で包まれています。

関節包で関節が包まれた状態のイラストがこちらです。

関節部分を灰色の繊維状のモノが包んでいますね。

このように関節は関節包という繊維状の膜のようなモノで包まれています。

そして、この関節包からは関節液という液体が出ており、関節包の中は関節液で満たされています。

この関節液の様子もイラストで見てみましょう。

イラストは関節包の一部を切り取ったモノです。

関節の周りに関節包が有り、その中を黄色っぽい半透明の関節液が満たしています。

そしてポキポキと音が鳴るメカニズムは、この関節包の中にある関節液が関係しています。

関節が鳴るメカニズム

では次に『ポキポキと関節が鳴ることと、関節液がどの様に関係しているのか?』ということについて説明をしていこうと思います。

まず姿勢矯正の時の音は、関節を動かした時に鳴りますよね。

例えば

  • 首を曲げる
  • 腰をひねる
  • 指を曲げる

といった様にです。

この様に関節を動かしたりすると関節包が伸び、関節液の圧力に変化が生じます。

そして、関節液の圧力に変化が起きた時に、関節液の中に気泡ができます。

この関節液の中にできた気泡が弾けた瞬間に『ポキッ』という音がなるのです。

この様に関節が鳴る音は

『関節包の中にできた気泡がはじけた時の音』

であり、ずれた骨がはまった時の音では無いんですね。

ちなみに、この『関節の中の気泡が弾ける時の音である』という説を裏付ける研究報告もあります。

その研究とはカナダのカウチャック博士の研究で、

  • MRI画像で関節の音が鳴る際の映像を撮影したら、気泡らしきモノができて消えることが確認された

という報告がされています。

このような研究報告から『関節がポキポキ鳴る理由は関節に気泡ができて弾けるからである』と考えられています。

関節の音が鳴るメカニズムから考える姿勢矯正とは?

次に姿勢矯正で関節が鳴るメカニズムから『姿勢矯正とは何なのか?』ということを考えていきましょう。

ではまず、『姿勢矯正とは何なのか?』を分かり易くするために、関節が鳴る時のメカニズムをもう一度整理して振り返ってみましょう。

関節がなる時に起こるメカニズムは、以下のようなものです。

  1. 関節を曲げたり伸ばしたりした時に関節包が伸びる
  2. 関節包が伸びた時に関節液の圧力が変化し気泡ができる
  3. その気泡が破裂した時に『ポキッ』という音が鳴る

このメカニズムから考えると姿勢矯正を受けた時に起きる『関節内に気泡ができ、その気泡が弾ける』という現象は、『関節包が伸びる』という事の副産物だということが分かります。

そして反対に姿勢矯正を行った時の主な効果は『関節包が伸びること』である事が分かりますね。

この様なことから姿勢矯正は

『背骨などの関節のストレッチである』

と考えることがことができます。

姿勢矯正の活かし方

次に、そんな関節のストレッチである姿勢矯正を『治療としてどのように活かしていけば良いのか?』ということについて説明していこうと思います。

具体的な例を挙げた方が分かりやすいと思いますので、猫背を例にして述べていきます。

では早速説明をしていこうと思います。

猫背は背骨が丸くなり姿勢が悪くなっている状態です。

そして、猫背に悩まされている方は、姿勢の悪い状態が長年続いているはずです。

そのように背骨が曲がっている状態が長期間続いた場合、背骨は曲がったまま硬くなり伸びにくくなっています。

そんな伸びにくい背骨を自分の力で伸ばそうとすることは、とても筋力が必要で

  • 姿勢を良くしようとしても、背骨が伸びない
  • 背骨を伸ばそうとしてもすぐに疲れてしまう

と言った様に姿勢を良くすることが困難になっています。

そして、そんな背骨が伸びにくくなっている時に有効なのが姿勢矯正(ストレッチ)です。

曲がったまま硬くなった背骨は、姿勢矯正(ストレッチ)をすることで柔軟に伸び易くすることができます。

そして伸び易くなった背骨は、少ない筋力で伸ばすことができる為、姿勢を良くすることが楽にできる様になってくるのです。

この様に

『伸びにくくなった背骨を矯正で柔らかくすることで、良い姿勢を体現し易くする』

ということが姿勢矯正の役割で有り、活かし方だと言えるでしょう。

ちなみに、この矯正は猫背以外の

  • 腰が曲がっている
  • 背骨が部分的に歪んでいる

といったものにも有効です。

ですから、そういった猫背以外の『腰の曲がり』や『歪み』に対しても姿勢矯正は活きてくると言えるでしょう。

関節のストレッチをピンポイントで行えることは姿勢矯正のメリット

しかし、姿勢矯正が関節のストレッチなのであれば、自分の力だけでもできそうですよね。

そうなってくると

『姿勢矯正なんて受ける意味有るのかな?』

という疑問を持たれる方も多いと思います。

では、そんな関節のストレッチである姿勢矯正を、施術として受けるメリットは有るのでしょうか?

その答えは『メリットは有る』です。

そして、そのメリットとは

『関節のストレッチをピンポイントで的確に行える』

という点です。

例えば身体の骨は、右に有るイラストの様に、背骨だけで見ても24個の骨から構成されています。

そして、この沢山有る骨の関節のどこをストレッチすれば良い姿勢につながるのかは人それぞれです。

背骨でも上の方に矯正が必要かも知れませんし、下の方に必要かも知れません。

そして、この『どこを直せば良いのか?』ということは自分で判断するよりも、専門的な知識を持った者に判断して貰い、施術をして貰った方が的確に矯正をすることができますし、矯正(ストレッチ)の効果も高まります。

この様に『的確で効果的に矯正をすることができる』という点が、姿勢矯正という施術を受けることのメリットと言えるでしょう。

また的確に姿勢を矯正できることは『安全性』ということについても大きな意味を持っています。

例えば、反り腰になっている人の腰をさらに反るように伸ばしてしまったら症状をさらに悪化させてしまいます。

ですが、的確にストレッチをして貰えれば、症状を悪化させるリスクを低くすることができます。

ですから、そういった『安全である』ということも、施術で姿勢矯正を行うメリットの一つだと言えるでしょう。

姿勢矯正の注意点

では次に姿勢矯正を受ける上での注意点について書いてい行こうと思います。

姿勢矯正での注意点として挙げられるのが、以下の3つとなります。

  1. 姿勢矯正で良い姿勢になっても、自分で維持する努力をしなければすぐに戻ってしまう
  2. 良い姿勢になるまでにある程度の時間が掛かる
  3. 関節は鳴らなくても良い

姿勢矯正で姿勢の改善を目指す場合は、これらのことに注意しなければなりません。

これらのことを頭に入れて姿勢矯正を受けることで、姿勢矯正によるケガを未然に防いだり、様々な勘違いをせずに施術を受けることができるようになると思います。

では、それぞれの注意点について解説をして行こうと思います。

姿勢を自分で維持する努力をしなければ、元に戻ってしまう

では、初めに『姿勢を自分で維持する努力をしなければ、姿勢は元に戻ってしまう』ということから解説していこうと思います。

前述した通り、姿勢矯正は関節のストレッチです。

そのため、曲がったまま硬くなった背骨を柔軟にする効果しかありません

ですから、『自分で姿勢を維持する』ということを意識しなければ元の曲がった姿勢に戻ってしまいます。

そして、『自分で姿勢を維持しなければ姿勢が元に戻ってしまう』という事実を知らないで姿勢矯正を受けても一向に姿勢は改善しません。

ですから、姿勢矯正という施術を上手に利用し、姿勢矯正の効果を最大限発揮させるためには、この様な事実は知っておく必要が有るでしょう。

良い姿勢になるまでは時間が掛かる

次に『良い姿勢に改善するまでに時間が掛かる』ということについて解説していきます。

この『良い姿勢に改善するまでに時間が掛かる』ということに関しても『姿勢矯正が関節のストレッチである』ということが関与しています。

例えば、普通のストレッチである前屈運動でもそうなのですが、可動域を広げる為には一日ストレッチ体操をしただけでは柔軟になりませんよね。

毎日ストレッチをして少しずつ柔軟になっていくはずです。

この様にストレッチで身体を柔軟にするためには、時間を掛けて少しずつ改善していく事が必要となってきます。

そして、その様なことは背骨などの矯正(ストレッチ)でも一緒です。

姿勢矯正を定期的に行い少しずつ背骨を伸ばし、患者様自身で良い姿勢を意識することで、時間を掛けて姿勢が改善されていくモノなのです。

この様に『矯正で姿勢を改善することは時間が掛かる』ということも、姿勢矯正を上手く利用するためには知っておいた方が良い知識でしょう。

矯正は関節が鳴らなくても良い

では次に『矯正は関節が鳴らなくても良い』ということについてです。

前述したように、姿勢矯正などで背骨が『ポキポキ』なるのは、関節がハマった時の音ではなく、関節包の中にできた気泡がはじける時の音です。

この理論から考えると、関節の音が鳴らなくても、矯正(関節のストレッチ)の効果は得られることになります。

ですから矯正の時に鳴る関節の音は、鳴らなくても良いと言えるのです。

それどころか、関節を鳴らすことに固執してしまうと非常に危険です。

矯正は関節のストレッチですので、音が鳴らない時も当然あります。

しかし、『音が鳴らないと矯正されていない』という誤った知識で姿勢矯正を行った場合、『関節の音が鳴っていないから』という理由で関節を伸ばし過ぎたり、捻り過ぎてしまう可能性が高くなります。

その様に関節を過剰に伸ばしたり捻ったりしてしまった場合、靭帯損傷のリスクが高くなりますし、背骨の施術に関しては脊髄損傷と言った大きなケガを負ってしまう可能性も高くなります。

ですから、その様なことを避けるためにも、患者さま自身が『矯正では音が鳴らなくても良いんだ』という知識を持つことが大事ですし、もし仮に施術者が関節の音を鳴らすことに固執している様なら、『音は無理に鳴らさなくても良いです』と伝えることも大事になってきます。

まとめ

この様な『関節のストレッチ』である姿勢矯正ですが、上手に利用することで姿勢改善に大きく役立てることができます。

そして、姿勢矯正を上手に利用するためには患者様自身が姿勢矯正という治療に関して、ある程度の知識を持つことも大事になってきます。

ですから、安全に健康的な身体を手に入れるためにも、今回の記事を参考にして頂けたらと思います。