ジャンプする時の膝の痛みに悩まされている方に知っておいて欲しい。ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)とは?
写真:pixabay
バレーボールをしていますね。
ということで、今回はバレーボールのようにジャンプをすることが多い競技に良くある痛み。
「ジャンパー膝」について簡単に書いていこうと思います。
目次
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)とは?
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)とは膝にある膝蓋靭帯という場所に掛かる負担が何らかの要因で大きくなり、炎症や損傷を起こすことで痛みが出てしまうスポーツ障害です。
負担のかかる場所である膝蓋靭帯は膝のお皿の下にあります。
絵で見てみるとこんな感じ。
この白い○で囲んであるのが膝蓋靭帯です。
お皿の下にありますね。
この膝蓋靭帯に負担がかかり、炎症や微細な損傷を起こすことで痛みが出ます。
ですから痛みの出る場所もお皿の下となります。
絵で見てみるとこの辺り。
白い○で囲んだあたりに痛みが出ます。
症状
膝蓋靭帯には「ジャンプ」「ストップ」「キック」などの動作を行う時に負担が掛かり易いので
「ジャンプをすると痛む」
「走っていてストップすると痛む」
「キックをすると痛む」
といった症状が多いです。
起きやすいスポーツ
ジャンパー膝はその名の通りジャンプをすることが多い競技者に起きることが多いです。
ですから
・バレーボール
・バスケットボール
などの競技者に多いです。
しかし「キック」「ストップ」といった動作時にも膝蓋靭帯に負担がかかるため
・サッカー
などの競技者でもジャンパー膝になることがあります。
膝蓋靭帯にかかる負担が大きくなってしまう要因
膝蓋靭帯にかかる負担が大きくなってしまう要因としては
・使い過ぎ
・筋肉の使い方に偏りが見られる(バランスが悪い)
というものが有ります。
「使い過ぎ」に関しては単純ですね。
ジャンプやストップなどの動作を何回も繰り返すことで膝蓋靭帯に負担が掛かります。
そして次に「筋肉の使い方が偏る」ということです。
ジャンプやストップなどの動作時は様々な筋肉が調和しながら働きます。
そういった「筋肉の使い方のバランス」が悪くなってしまうことで膝蓋靭帯への負担が大きくなってしまいます。
この二つの要因が合わさることで、膝蓋靭帯への負担は大きくなり、炎症や微細な損傷が起きてしまう可能性が高まってしまうのです。
治療で大事なこと
ジャンパー膝の治療では、電気治療や温める治療などで回復を早めることも大事ですが、せっかく良くなっても膝蓋靭帯に負担がかかってしまえば再び痛みが出てしまいます。
ですから膝蓋靭帯への負担を減らすということが施術をするうえでとても重要になってきます。
膝蓋靭帯への負担を減らす方法としては
・休む
・テーピングやサポーターを使う
・筋肉のバランスを整える
といった方法が有ります。
そしてこれらの方法がどんなものなのか簡単に説明していこうと思います。
休むことで膝蓋靭帯への負担を減らす
まずは「休む」ということについてですが、この方法はトレーニングを休むことで、膝蓋靭帯に掛かる負担を減らします。
ちなみに痛みが出てしまうような体の状態は、疲労も限界を超えていることが多いです。
その様なことから痛みが出てしまうような体の状態で練習をしても非常に身に付きにくいです。
そういったことから考えると、休むということは皆さんが考えている以上に重要です。
ですからトレーニングを休むことが可能であれば、できるだけ休んで頂きたいと思っています。
ただし、休んで症状が改善しても、トレーニングを再開すると再び膝蓋靭帯に負担が掛かることが多く、再発する可能性も有ります。
ですから「休む」というだけでは再発の予防が難しい場合も多いです。
テーピングやサポーターで負担を減らす
次に「テーピングやサポーターを使う」という方法です。
この方法はテーピングやサポーターで膝蓋靭帯に負担が掛かってしまう動きを制限し、負担を減らす方法です。
この方法の最大のメリットは「トレーニングを休まなくて済む可能性が高くなる」という点です(個人的はまず休んで頂きたいと思っています)。
ですが、テーピングなどは一つの関節の動きを制限することです。
そうすると体全体の動きはスムーズではなくなってしまう可能性も有り、他の場所に負担が大きくなってしまうことも考えられます。
そういったことから、テーピングなどを使うことは、本当の再発予防ということにはならない場合も多いです。
筋肉のバランスを整えることで負担を減らす
最後に「筋肉のバランスを整える」という方法です。
この方法はリハビリやトレーニングで筋肉のバランスを整え、体の動きの調和性を高めることで膝蓋靭帯に掛かる負担を減らす方法です。
体の状態や個人差で内容が異なりますが、的確にリハビリやトレーニングを行うことができれば高い効果を期待できます。
しかし筋肉のバランスを整えることは、今まであまり使っていなかった筋肉を使うということです。
ですから集中力と継続力が必要となるため、患者さんの努力も必要となります。
ですが、筋肉のバランスを整えることで再発の予防にもなりますし、上手くいけば競技のパフォーマンスも上がる可能性が有ります。
ですから、筋肉のバランスを整えるところまで出来たら理想的かと思います。
治療期間
ちなみにこれらの治療を上手く組み合わせると、競技に復帰するまでの期間は2~4週間くらいになることが多いです。
ただし、筋肉のバランスは何もしなければ徐々に偏ってきてしまいます。
ですから筋肉のバランスを保てるよう、バランスを整えるようなトレーニングなどをセルフケアなどで継続することが理想的です。
まとめ
ジャンパー膝は治りにくかったり、再発の可能性の高いスポーツ障害です。
ですが、患者さんの頑張り次第で再発の予防はできるものです。
ちょっと大変かもしれませんが、患者さんには治療に関してもトライして頂きたいですね。
この記事を書いた人
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施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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