肘の痛みに悩まされている野球競技者に知っておいて欲しい。野球肘とは?

参考:プロメテウス解剖学アトラス

これは肘の断面図ですね。

ということで、今回は肘の痛みついて。

その中でも「野球肘」について簡単に書いていこうと思います。

野球肘とは

野球肘とはボールを投げる動作などを長時間続けることにより、肘に痛みのでしまうスポーツ障害です。

この野球肘は

「ボールを投げると痛む」
「テニスのフォアハンド時に痛む」
「ゴルフのスイング時に痛む」

という様に野球以外のスポーツでも見られます。

ちなみに痛みの出る場所を絵で見てみるとこの辺り。

この白○で囲んである部分に痛みが出ます。

この辺りにはボールを投げる時などに必要な

「手を握る」
「手首に力を入れる」
「肘を曲げる」

という役割を持った筋肉が沢山ついています。

絵で見るとこんな感じです。

この筋肉のついている場所にはボールを投げるなどの動作時に負担が掛かります。

この負担が何かしらの要因で大きくなった時に「炎症」や「筋肉や靭帯の損傷」が起きることで痛みが出ます。

肘への負担を大きくしてしまう要因

前述した通り、野球肘は肘に掛かる負担が大きくなることで起きてしまいます。

そんな肘への負担を大きくしてしまう要因には

・使い過ぎ
・筋肉の使い方が偏る(バランスが良くない)

といったものが有り、このような二つの要因が両方合わさることで野球肘になる可能性が高くなります。

ではそれぞれの要因について簡単に説明していきます。

使いすぎることで肘への負担が大きくなる

まず「使いすぎ」について説明しますが、これは単純ですね。

使いすぎることで肘に何度も負担が掛かります。

この負担によって、炎症や筋肉の付着部や関節に損傷が起きてしまいます。

筋肉の使い方が偏ることで肘への負担が大きくなる

そして「筋肉の使い方が偏る」ということについてです。

ボールを投げるなどの動作は全身の筋肉をバランス良く使うのが理想です。

しかし使う筋肉が偏ることで肘に負担が集中してしまい、その結果炎症や損傷が起き易くなってしまいます。

治療方法

そして野球肘の治療では電気治療なども大事ですが、この患部への負担を取り除くことがとても重要になってきます。

なぜなら、患部が回復してきたとしても、再び負担を掛けてしまうことで、再び悪化してしまうからです。

そして肘への負担を減らす治療には

・休む
・テーピングやサポーターを使う
・筋肉のバランスを整える

と言ったものがあります。

休むことで患部への負担を減らす

前述したように野球肘の治療では患部の負担を減らすようにすることも大事です。

そんな負担を減らす方法として「休む」という選択肢が有ります。

休むことで肘への負担は減り、症状は回復していきます。

ちなみに「休む」ということは皆さんが思っている以上に重要で、休める状況にある方はできれば休んで欲しいです。

なぜなら

「痛みが出てしまう体の状態で練習をしてもパフォーンスは上がりにくい」
「しっかりと休み痛みを改善してから練習を行う事で練習の効率がかなり上がる」

といった理由があるからです。

そういったことから考えると、休むということは選手の可能性を広げるものでもあるのです。

ですが復帰した時にまた負担は掛かる訳で、休むだけでは再発の予防は難しいでしょう。

ですから「休む+α」は必要だと思います。

テーピングやサポーターをするという方法

テーピングやサポーターを使い患部の負担を減らすという方法もあります。

この方法は関節の動きを制限することで、患部の負担を減らします。

そして休まなくても症状を改善できる可能性が高まるのが最大のメリットだと思います(本当は一定期間休んで欲しいですが・・・)。

ですが、この方法は関節の動きを制限するもので、他の関節に負担を掛けてしまう可能性も有ります。

さらにテーピングなどを外すとやはり患部に負担が掛かってしまうことから、本当の痛みの予防はできない可能性が高いです。

筋肉のバランスを良くする

「筋肉のバランスを良くする」という方法もあります。

前述したように、野球肘は筋肉の使い方が偏る(バランスが悪くなる)ことも要因の一つです。

そういった筋肉の使い方のバランスを良くすることで、患部の負担は減り症状は改善していきます。

体の状態や一人ひとりの個性によりトレーニング方法が異なるのですが、的確なトレーニングでバランスを良くすることができれば高い効果を出すことができます。

ですが、この方法は患者さん自身の努力も大事になります。

体力的にキツイことをする訳ではありませんが、今まであまり使っていなかった筋肉を動かすことになるので、集中力と継続性が必要となります。

しかし、しっかりとバランスよく筋肉を使えるようになった時は、ケガをしない身体になれますし、上手くいくと競技のレベルも上がります。

ですから個人的には「休む+筋肉のバランスを良くする」というところまで治療として行う事が理想だと考えています。

治療期間

これらの治療を上手く組み合わせると治療期間は2~4週間くらい。

もちろん個人差や環境により前後します。

ですから目安になってしまいますが、そのくらいの治療期間になることが多いです。

まとめ

野球肘は中々治らなかったり、再発に悩まされることの多いスポーツ障害です。

ですが、患者さんの頑張りと適切な治療計画で解決できるものでもあります。

ですから焦らずじっくり計画的に治療をして頂くことをおススメします。

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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