手首の痛みが長引いている方に知って欲しい。手首の腱鞘炎。ドケルバン病とは?

『物を持つと手首が痛い』
『ハサミを使うと手首が痛い』
『パソコンを使うと手首が痛む』

そんな悩みを抱えている方は手首の腱鞘炎を起こしているかもしれません。

ということで今回はそんな手の中でも手首の痛み。

腱鞘炎(ドケルバン病)について書いていこうと思います。

腱鞘炎とは?

腱鞘炎とは「腱鞘」といわれる腱が通るトンネル状のもの、又は腱そのものに炎症や損傷が起きることで痛みを発するものを言います。

そして腱鞘を絵で見てみるとこんな感じです。

この青○で囲んである部分は手首周辺で、青○の中にある緑色っぽいものが有りますよね?

これが腱鞘ですね。

この腱鞘の中を腱が通っています。

ちなみに腱はこの絵の中だと腱鞘から出ている白い筋です。

そしてこの腱鞘の中でも親指側に炎症や損傷を起こしてしまうのがドケルバン病。

ちなみに炎症などが起きるのはこの辺りです。

ドケルバン病といわれる腱鞘炎は、この青○で囲まれた辺りの腱鞘や腱そのものに炎症や損傷が起きるんですね。

腱鞘炎(ドケルバン病)の症状について

腱鞘炎(ドケルバン病)の症状は

  • 物を持った時に手首が痛む
  • ハサミを使うと手首が痛む
  • パソコンを使うと手首が痛む

といったように手を使うことで手首に痛みが出ます。

さらに重症化した場合は患部が腫れたりもします。

ちなみに痛みが出る場所はこのあたりです。

やはり手首の親指側に炎症が起きているので、青○で囲んである辺りに痛みが出るんですね。

腱鞘炎の原因

腱鞘炎の原因は患部に負担が掛かることです。

これはドケルバン病以外の腱鞘炎でも同じですが、負担が大きくなることで炎症や損傷を起こします。

患部に負担が掛かってしまう要因には

  • 手の使い過ぎ
  • 体のバランス(姿勢や筋肉のバランス)が偏っている

ということがあげられます。

使いすぎることで負担が大きくなる

「手を使い過ぎる」ということについて簡単に説明します。

これはとても単純で、手を使いすぎることで患部に負担が掛かり続けるので負担が大きくなるということです。

その結果、炎症などを起こしてしまいます。

体のバランス(姿勢や筋肉のバランス)が偏っている

そして「体のバランスが偏っている」ということについてです。

「物を持つ」などの動作は、様々な筋肉や関節の動きが調和することで、スムーズに、そして効率的な動きを作ります。

体のバランスが偏ると、そういった筋肉や関節の調和が少なくなります。

その結果、筋肉や関節の動きがスムーズではなくなり、患部への負担が増えてしまいます。

このように患部への負担が増えることにより、炎症などを起こしやすくしてしまいます。

治療について

腱鞘炎では重症化した場合、手術をすることも有ります。

ですが、余程のことがない限り保存療法(手術をしない治療)での改善を行います。

保存療法の場合、腱鞘炎の治療は電気治療などをすることも大事ですが、患部に掛かる負担を減らすことがより重要になってきます。

患部への負担を減らす方法としては

  • 休ませる
  • テーピングやサポーターなどを使う
  • 体のバランスを整える

といった方法が有ります。

休ませる

「休ませる」という方法ですが、これはとても単純です。

休むことで手を使わなくなるので、患部への負担が減り改善します。

そして可能であれば、基本的には「休む」という方法を選択することをおススメします。

しかし「休む」という方法だけでは再発の予防はできません。

ですから「休む」ということに加えて、再発を予防するためのケアをして行く必要があります。

さらに腱鞘炎になる原因はほとんどが仕事での手作業です。

ですから、そもそも休むことができず手首への負担が大きくなってしまうことが多いです。

その様なことから、休めない人には他の方法を選択する必要があります。

テーピングなどを使う

次にテーピングなどを使う方法です。

この方法はテーピングなどで患部に負担が掛かる動きを制限し、負担を取ることで症状を改善していく方法です。

この方法の最大のメリットは「休まなくても症状が改善する確率が上がる」という点です。

しかし、動きを制限するということは、患部以外の場所への負担は増えるということです。

ですから、テーピングなどの施術次第では、他の痛みが出てしまう可能性は高くなるのことも有ります。

体のバランスを整える

前述したように、体のバランスが崩れることで患部に掛かる負担は増えます。

ですから、体のバランスを整える施術やトレーニングを行うことで患部に掛かる負担も減り、症状の改善をすることができます。

ただし体のバランスを良くするためには、「姿勢を意識する」「私生活でも意識すべき点をできるだけ意識する」ということが必要となります。

ですから他の治療に比べると、患者さんのやることも多くなります。

しかし、体のバランスを整えることは再発の予防にも高い効果が期待できるので、体のバランスを整えることまで行うのが理想的だと考えています。

治療期間

ちなみに体のバランスを整える施術やトレーニングを行った場合、回復までの期間は2~4週間くらいになることが多いです。

そして体のバランスは管理を怠ると崩れてくることが多いです。

ですからセルフケアなどで、体のバランスを管理し続けることが理想的です。

まとめ

このような腱鞘炎ですが、個人的には患者さんが頑張った分結果もついてくるものだと思っています。

もちろん体のバランスを整えることが全てではないですし、従来の治療や病院との連携も大事になってきます。

ですから、そのあたりを上手く絡ませつつ患者さんの悩みを解決していけたら良いと思っています。

 

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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