アキレス腱断裂について。

イラスト:いらすとや

女性がアキレス腱を伸ばしていますね。

ということで、今回はアキレス腱の痛み。

その中でも「アキレス腱断裂」について簡単に書いていこうと思います。

アキレス腱断裂とは

アキレス腱断裂とはそのままの意味で、アキレス腱を断裂することです。

ちなみにアキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋につながっている腱です。

絵で見てみるとこれです。

 

アキレス腱は凄く有名なので説明は不要かもしれませんが、一応この青○で囲んである部分がアキレス腱です。

このアキレス腱が断裂してしまうんですね。

受傷原因

アキレス腱の断裂は日常生活でも起こりますが、やはりスポーツ中に起きることが多いです。

ちなみにどんな時に起きやすいのかと言いますと

「バックステップをしていて前に方向転換をする時に足を着いた瞬間にアキレス腱が断裂した」

というような感じで受傷することが多いです。

ちなみにサッカーのベッカム選手がアキレス腱を断裂してますね。

動画が有ったので見てみて下さい。

こんな感じで足を着いた時に断裂するんですね。

ちなみにはアキレス腱断裂を起こしやすいスポーツは

・バドミントン
・バレーボール
・バスケットボール
・サッカー
・ラグビー

など切り返し動作が多いスポーツに多いです。

特にバドミントンとバレーボールは

「トスをしようとして急に前方に出ようとする」

という動作が多いのでアキレス腱断裂を特に起こしやすいです。

症状

アキレス腱が切れた瞬間はアキレス腱の部分に何かが当たったような衝撃を感じるようです。

今まで治療に携わった患者さんの中には

「アキレス腱にボールが当たったのかと思った」

と言っていた方もいらっしゃいました。

そのように何かが当たった感覚と似ているようです。

そして

・歩くことはギリギリできるがつま先立ちは無理
・足首周辺がかなり腫れる

といった症状も出てきます。

ちなみに痛みは有りますが、それほど強い痛みでは無いようです。

ですから

「あれ?歩けない?」

という感じで、アキレス腱の断裂に気づく人も少なくありません。

治療方法

アキレス腱が断裂した場合は大きく分けて

・手術による治療
・保存療法(手術をしない治療)

の二つに分けられます。

手術による治療

切れたアキレス腱を手術で縫いつけて治す方法です。

一般的に早期回復を目指す場合は手術を行うことが多く、病院によっては歩く練習を3日目くらいから開始するところもあるようです。

ただし、手術は体への負担が、保存療法に比べて大きいというデメリットも有ります。

保存療法(手術をしない治療)

保存療法は体にメスを入れず、患部を固定するなどして治していく治療方法です。

最近の技術では手術よりは遅いかもしれませんが、保存療法でも回復の速度がかなり早くなっています。

ちなみに保存療法を行った場合の治療からリハビリまでの流れと期間を簡単に書くと

  1. 最初に患部を固定し、5日~2週間くらいで患部を固定したまま歩く練習をして行きます。
  2. その後1~2か月くらいで固定を外します。
  3. そして固定なしでのリハビリを半年~1年。

と言った感じです。

ちなみに私の臨床経験では半年でスポーツに復帰した症例も有りました。

現在の医学技術なら手術をしなくてもアキレス腱がしっかり治るということを証明してくれた例ですね。

そして、この保存療法は体にメスを入れないので手術に比べ体への負担が軽いということが最大のメリットだと思います。

ただし様々な研究結果から考えると再断裂の可能性は手術より3~5%ほど高くなるようです。

アキレス腱断裂ではリハビリが重要

アキレス腱断裂の治療で重要なのがリハビリです。

歩く練習や筋力トレーニングなど様々な方法が有りますが、リハビリをしっかりこなさないと再断裂の可能性も上がりますし、回復の速度も遅くなってしまうでしょう。

そのくらいリハビリは重要です。

筋肉のバランスを整えることも大事

前述しましたが、アキレス腱断裂の治療では足を固定します。

この固定をしている時は、患部をかばいながらの生活になるのですが、患部をかばいながらの生活をしている間に体全体の筋肉のバランスが崩れてきます。

そして筋肉のバランスは固定が外れた後も崩れたままです。

ですから「歩く」「走る」などのような動作のバランスも崩してしまうことが多く、その結果、アキレス腱の再断裂の可能性を高めてしまったり、他のケガや痛みの発生率を高めてしまうことにもつながります。

ですから筋肉のバランスを整え、きちんとした歩き方や走り方を思い出していく必要があります。

ちなみにアキレス腱のリハビリで怖いのが、リハビリ期間中の再断裂です。

焦ってリハビリを一気に進めようとすると再断裂の可能性を高めてしまいます。

ですから筋肉のバランスなども含めて、的確にじっくりと治療計画に沿ってリハビリを進めていくことも大事になってきます。

まとめ

アキレス腱を断裂することは、大きなケガを負ったと言えるでしょう。

しかし焦らず的確に治療をして行くことでしっかりと治るケガです。

地道に焦らずリハビリに励んでいって欲しいです。

フォローをしてブログの更新情報を受け取る。

この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA