身体の脂肪の原因の一つである『糖質』を使う運動。『解糖』とは?

写真:ソザイング

お米ですね。

お米と言えば炭水化物。

炭水化物と言えば糖質。

今回はそんな糖質を使ったATPの再合成。

「解糖」について簡単に書いていこうと思います。

解糖とは?

解糖とは、糖質を利用することでATPを再合成し、運動のためのエネルギーを体に供給する機構です。

ホスファゲン機構でエネルギーを供給できなくなった時に、解糖をすることでエネルギーを供給します。

つまり、ホスファゲン機構の次に起こるATP再合成の機構が解糖という訳です(ホスファゲン機構についてはこちら>>)。

ちなみにATPを再合成する時に使われる糖質は

・グルコース
・グリコーゲン

の二種類です。

この2種類の糖質が様々な反応を起こし、ATPを再合成できる形まで変化することでATPを再合成していきます。

解糖はホスファゲン機構よりもATPの再合成速度が遅い

解糖ではグルコースとグリコーゲンがATPを再合成できる形になるまで少しだけ時間が掛かります。

そういったことからホスファゲン機構の様に、短い時間で多くのATPを再合成することができません(解糖におけるATPの再合成速度はホスファゲン機構よりも遅いということです)。

ですから解糖ではホスファゲン機構よりも筋肉に供給するエネルギーが少ないため、ホスファゲン機構時に比べると大きな筋力を出すこともできません。

ただし、ホスファゲン機構でATP再合成に使われるクレアチンリン酸に比べ、グリコーゲンやグルコースの貯蔵量がとても多いです。

そのようなことからホスファゲン機構に比べて、長い時間ATPの再合成を続けることができるという特徴も有ります。

解糖にも二種類ある

そんな解糖にも

・速い解糖
・遅い解糖

の二種類あります。

この「速い」とか「遅い」というのはATPの再合成の速度です。

解糖のATP再合成の速度は運動の強度によって変わってきます。

大きなパワーを出している時は「速い解糖」。しかし持続時間は短い。

速い解糖は、短時間で多くのATPを再合成できる機構で、比較的大きな力を出す時に使われる機構です。(ホスファゲン機構よりは少ない)。

例えば陸上競技の400メートル走や800メートル走などは、全力のダッシュ程では無いにしろ、かなり速いペースで走ります。

この様に陸上の400メートル走くらい運動の強度が高い場合、体への酸素供給が不十分になります(つまり無酸素運動ということです)。

そんな「体への酸素供給が足りなくなるくらい強度が高い運動」をしている場合は酸素を使わず、短い時間で多くのエネルギーを必要とします。

この様な時に使われる機構が「速い解糖」という訳です。

しかし、速い解糖は貯蔵されている糖質の消費も速いので持続時間は短いです。

速い解糖のみでエネルギーを供給できる時間は持って2分くらい。

ですから陸上の400メートル走や800メートル走の様に早いペースで走るのはあまり長く続かないんですね。

速い解糖では乳酸ができる

ちなみにグルコースやグリコーゲンはATPを再合成した後、最終的にピルビン酸という物質に変わるのですが、速い解糖が起きるような無酸素運動時ではピルビン酸が乳酸に変化します。

この乳酸の一部は肝臓でグルコースに変化し、再びATPの再合成をすることになります。

このような乳酸がグルコースに変わり再び解糖されるという循環を「コーリ回路」と言います。

ちなみに速い解糖でできる乳酸は、「速筋」に多く発生するようです。

これは「速い解糖は速筋で起きている」ということと、「速筋が無酸素運動の様に強度の高い運動時に動いている」という証拠ですね。

小さな力を持続的に出す場合は「遅い解糖」

遅い解糖は、短時間でATPを再合成する量は少ないですが、比較的長い時間ATPを再合成することができる機構です。

例えば、長距離走や中等度のエクササイズなどの場合は、400メートル走などと比べると息苦しさは少ないですよね。

これは体にはある程度酸素が供給できているからです。

このように体に酸素が供給できる運動の場合は、運動の強度が軽く短時間に必要とするエネルギーも少なくて済みます。

ですから長距離走などのような体に酸素が供給できるくらいの運動の場合は、ATPの再合成速度は遅いが持続時間が長いという特徴を持つ「遅い解糖」でエネルギーを供給します。

クレブス回路

ちなみに有酸素運動時の様な体に酸素が比較的多い場合、グルコースやグリコーゲンが変化したピルビン酸はミトコンドリアに運ばれ、「クレブス回路」という機構に入ります。

実はこの「クレブス回路」もATPを再合成するための機構なんです。

次回はそんな「クレブス回路」について書いていこうと思います。

ということで。

それでは皆さんまた次回♪

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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