坐骨神経痛の原因と治療方法について。

  • 足がしびれてしまう
  • お尻から足にかけてが痛い
  • 歩き始めると足が痛くなってしまう

この様な症状に悩まされている方は坐骨神経痛かも知れません。

そんな坐骨神経痛も現代ではとても多い痛みの一つです。

そして、坐骨神経痛に対する治療には様々なモノが有り、患者様の目的により、治療内容も変化します。

つまり、

『根本的に坐骨神経痛を改善し、できるだけ治療に頼らないでいられる体にしたい』という人と、『毎日治療に通っても良いから、一時的に坐骨神経痛が感じ無くなれば良い』と考えている人では、必要な治療が違う

ということです。

ということで今回は、そんな坐骨神経痛の原因や治療方法について解説していこうと思います。

坐骨神経について詳しくなり、治療や原因について知ることで、『自分に必要な治療は何なのか?』と言ったことを知ることができますし、それと同時に自分に必要な治療をしている医療機関や治療院を、ある程度、自分で選べる様になります。

そして、自分で医療機関や治療院を選べる様になれば、患者様自身が納得して治療を受けることにもつながりますし、無駄に治療を受けることが減る為、時間やお金を無駄にしなくても済む様にもなります。

ですから、そういった、自分にとってのメリットを得る為にも、最後までご覧いただければと思います。

今回参考にした本:『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論 運動器系』『標準整形外科学』

坐骨神経痛とは?

では早速、坐骨神経痛について解説していこうと思うのですが、坐骨神経痛を理解するためには、坐骨神経について理解する必要があります。

ですからまずは、坐骨神経について簡単に解説をしていこうと思います。

坐骨神経とは、腰から出た神経がお尻の深層や太ももの裏などを通るとても大きな神経です。

では、そんな坐骨神経を、しっかり理解して頂くためにイラストでも見ていきましょう。

まずは、臀部(お尻)から足にかけてのイラストです。

そして、このイラストの皮膚を透明にして、坐骨神経を見ていきます。

こちらが皮膚を透明にしたイラストです。

本来は筋肉なども有るのですが、坐骨神経を見え易くする為、筋肉は省いています。

そして、イラストの青く細い線の様なモノが坐骨神経です(見え易くする為に坐骨神経を青くしていますが本当の坐骨神経は青くはないです)。

イラストの様に坐骨神経は太ももの裏を通り、膝の裏、そして足の方まで伸びています(正式には膝から神経の名前が変わりますが、坐骨神経とはつながっているので、同じ神経と考えて下さい)。

そして、そんな坐骨神経に沿って痛みやシビレが出るので、坐骨神経痛といわれています。

坐骨神経痛で痛む場所

ではそんな坐骨神経痛の痛む場所についてもう少し詳しく解説していこうと思います。

坐骨神経痛ではお尻~足にかけて痛みが出ることが多く、その中でも特に

  • お尻
  • 太ももの裏から外側
  • ふくらはぎの外側

に痛みが出ることが多いです。

では、痛みの出る場所もイラストで見てみましょう。

イラストの水色で囲った部分が坐骨神経痛の時に痛みが出ることが多い場所です。

ちなみに坐骨神経のイラストももう一度見てみましょう。

見比べてみると、坐骨神経の通っている場所と同じ様な場所に痛みが出ていることがわかりますね。

こんな感じで坐骨神経の通っている所と、痛みの出る場所が比較的近かったので、坐骨神経に問題があるとされていたんですね。

ちなみに、坐骨神経痛は、部分的に痛みが出ることも多く、お尻だけ痛かったり、太ももだけ痛かったりすることも有るので、その様に局所的に痛い場合も坐骨神経痛と診断されることが多いと思います。

坐骨神経痛の原因

では次に坐骨神経痛の原因について解説していこうと思います。

坐骨神経痛は、腰や臀部(お尻)周辺で坐骨神経が圧迫されることが原因となり痛みがでるとされています。

ちなみに、坐骨神経を圧迫する原因として有名なのが

  • 腰部椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 梨状筋症候群

といった腰や臀部の疾患です。

腰部椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症に関しては腰で神経が締め付けられ、梨状筋症候群ではお尻にある梨状筋という筋肉に神経が締め付けられることで症状が出るとされています。

しかし、最近の研究では『坐骨神経痛は神経の圧迫が原因ではない可能性が高い』ということを裏付ける研究報告なども有ります。

ですから、そういったことから考えると『坐骨神経痛は筋肉に問題があるのでは?』と個人的には考えています。

ちなみに、『坐骨神経痛は神経の圧迫が原因では無い』ということの根拠となる研究報告について解説した記事を、当院のブログでも書いておりますので、よろしければそちらの記事もご覧ください。

治療方法について

では、次に坐骨神経痛の治療方法について解説していこうと思います。

坐骨神経痛の治療方法としては以下のようなものがあります。

  1. 外科的療法
  2. ブロック注射
  3. 物理療法
  4. 薬物療法
  5. マッサージ
  6. 鍼灸治療
  7. 運動療法
  8. 姿勢の改善

これらの治療についてもう少し詳しく解説していこうと思うのですが、それぞれの治療の特徴として抑えて欲しいポイントが有ります。

それは

  • 手術が必要な場合はどんな症状が出ている時なのか?
  • 一時的に痛みを和らげるための対症療法なのか?
  • 根本的に痛みを改善する為の治療なのか?

と言った点です。

そういったポイントを抑えることで、自分自身に必要な治療なのかどうかを、判断することができると思います。

では、それぞれの治療について解説していこうと思います。

外科的療法

外科的療法は簡単に言うと手術です。

ですが、坐骨神経痛はハッキリ言って手術をしなくても治ることがほとんどです。

ですから、まずは手術以外の方法を選択することをおススメします。

ただし、例外として坐骨神経痛と同時に、排尿や排便を上手くコントロールできない時(排尿・排便障害がある時)は手術をすぐに行った方が良いでしょう

ですから排尿・排便障害がある時は速やかに医師に相談することをおススメします。

ブロック注射

ブロック注射は局所麻酔薬を打ち、痛みを感じにくくすることで、痛みを軽減する方法です。

注射をすることで痛みを感じにくくしているだけなので、麻酔が切れた時は再び痛みが戻ります。

ですから、痛みの根本的な原因を改善している訳ではないので、一時的に痛みを和らげるための対症療法という意味合いが強い治療方法です。

物理療法

物理療法は電気治療や腰を引っ張ったりする治療です。

物理療法も、痛みを和らげることと、血流を良くすることなどが主な効果です。

しかし、血流促進や痛みの改善は一時的です。

ですから、根本的な治療とは言えず、一時的に痛みを和らげる為の対症療法としての意味合いが強い治療方法となります。

そして、一時的に痛みは和らぎますが、すぐに痛みが出てくる訳ですから、積極的に通院し日々痛みを和らげることが必要となります。

ちなみに電気治療については詳しく解説した記事も有りますので、ご興味のある方はそちらの記事もご覧頂ければと思います。

薬物療法

薬物療法は痛み止めの薬を飲んだり、湿布を張ることによって痛みを軽くする方法です。

薬の効果が無くなれば再び痛みだしますので、やはり根本的な治療とは言い難く、一時的に痛みを和らげる為の対症療法としての意味合いが強い治療といえるでしょう。

ただし、一時的とはいえ痛みを取ることはできるので、根本的な治療に向いていない、又はできない方には選択肢の一つとなります。

ちなみに薬物療法の場合は、定期的に整形外科の通院し、薬を処方して貰う必要があります。

マッサージ

マッサージは、マッサージをして痛みを緩和させる方法です。

マッサージには痛みを感じにくくさせる効果が有るため一時的に痛みを和らげる効果があります。

その他にはマッサージをすることで血流が良くなるため、その影響で一時的に痛みが楽になります。

しかし、マッサージも痛みが改善するのは一時的なことが多いので、一時的に痛みを和らげる為の対症療法ということになります。

ですから本当に痛みを取り、本当の健康体になるためには、根本的な治療を行う必要があります。

ちなみに、マッサージ治療についても詳しく解説した記事が有りますので、ご興味のある方はそちらの記事もご覧頂ければと思います。

鍼灸治療

鍼灸治療は、鍼やお灸をすることで痛みを緩和する方法です。

鍼灸治療と言えば、経絡(ツボ)ですが、この経絡については『どのような効果が有るのか?』といった科学的根拠は示されていません。

しかし、分からないだけで、何か未知なる効果が有るかもしれませんので、鍼灸治療を信じている方は、その未知なる部分を信じて頂ければと思います。

ちなみに鍼灸治療では、科学的に分かっている効果も有り、痛みを感じにくくさせる効果や、血流を感じにくくさせる効果などについては、科学的に証明されています。

ただし、鍼灸治療も効果が一時的であることが多く、一時的に痛みを緩和する為の対症療法という意味合いの強い治療で有ると言えるでしょう。

ちなみに、鍼灸治療について詳しく解説した記事を、当院ブログで書いておりますので、興味のある方はそちらの記事もご覧頂ければと思います。

運動療法(筋肉の動きの調和性を高める)

運動療法は、運動をすることで症状を改善していく方法です

実は、この運動療法は、痛みを緩和する効果は前述した治療方法よりも劣りますが、根本的に痛みを改善する為の治療と言えます。

勿論、的確に患者さんの状態を把握することが求められますが、やり方次第でかなりの効果が期待でき、痛くて長時間歩けなかった人が痛みなく歩けるようになるくらい良くなります。

ただし、患者様の努力も必要なので、そういった部分が患者さんからすると大変な部分でもありますね。

ちなみに坐骨神経痛の方は、筋肉の動きの調和性が欠けていたり姿勢に問題を抱えていることが多いので、その様な部分を改善するような運動療法や施術を行う事が大事になります。

そして運動療法で特に鍛えたいのがインナーマッスルです。

このインナーマッスルは脊柱(背骨)を安定させ保護する役割がありますし、臀部から足の指先の筋肉の動きの調和性を高め、患部への負担を減らすことにも役立ちます。

ですから筋肉を鍛える場合は、インナーマッスルを特に鍛えると坐骨神経痛を改善する効果が高くなります。

姿勢を改善する

最後に坐骨神経痛の治療として挙げるのが『姿勢を改善する』という方法です。

実は、本当の良い姿勢になると、先ほど運動療法でもお話しした『インナーマッスル』を鍛えることにつながります。

ですから姿勢を改善することは、根本的に痛みを改善する為の治療ということができるでしょう。

ちなみに、坐骨神経痛と姿勢の関係性について解説した記事も、当院のブログで書いておりますので、よろしければそちらの記事もご覧ください。

しかし、インナーマッスルを使った姿勢は、非常に難しい姿勢でもあります。

ですから患者さんが根気強く治療に励むことが大事となりますので、そういったことから考えると、患者さんの努力も少しは必要な方法でもあります。

しかし、インナーマッスルを使った姿勢は、症状の改善のみならず様々なメリットがありますし、努力と言っても、姿勢を意識したり簡単な体操やストレッチをする程度なので、頑張って頂きたいところではありますね。

ちなみに、姿勢を改善した時のメリットについて解説した記事も、当院のブログでも書いておりますので、よろしければそちらの記事もご覧下さい。

治療期間

そんな坐骨神経痛の治療期間についてですが、個人差が有り一概に『どのくらいで治る』ということは言えません。

ですが40代くらいだと、一か月も有れば治ることが多い気がします。

しかし、年齢が高くなるほど、治療期間が長くなる傾向にあるのは間違いなく、70歳以上になると一年以上、治療が必要になることは覚悟した方が良いと思います。

ちなみに、坐骨神経痛は突然痛みが強くなる傾向にあり、痛みが出た時には、すでに改善に時間が掛かってしまう様な状態になってしまっていることが多いです。

ですから、坐骨神経痛は『なってから治す』というよりも、『ならない様に予防する』と言った選択肢を選んだ方が良い気がします。

そういったことから考えると、できることなら信頼している人に、トレーニングを見て貰ったり、施術をして貰ったりして予防していくことが良いのではないかと考えています。

まとめ

ここまで述べてきたように、坐骨神経痛はしっかりと治る疾患です。

ですから、個人的には、根本的に治すことを考えて頂きたいと思っています。

しかし、根本的に坐骨神経痛を改善するためには、患者様の努力も少しは必要となります。

ですから、坐骨神経痛を改善するにあたって、少し大変なこともあると思います。

しかし、そういった努力を積み重ねていければ、坐骨神経痛だけでなく、他にも体に良い影響が出てくると思いますので、少し大変かもしれませんが、コツコツと治療に励んで頂ければと思っています。

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『効率的で効果的な姿勢改善』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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