良い姿勢は疲労が回復し易くなり疲労が溜まりにくくなる?姿勢と疲労の関係性について。
『激しい運動をした』
『いつもより仕事を頑張った』
『年齢を重ねてきた』
そんな理由で疲労を感じてしまうことは、誰でも経験したことが有ることだと思います。
しかし、そんな疲労は姿勢と深く関係していると思っています。
つまり、良い姿勢であれば
- 疲労の回復が早くなる
- 疲労が溜まりにくくなる
といったメリットが得られるのではないか?と考えているということです。
ということで、今回は
『姿勢と疲労の関係性』
について解説していこうと思います。
『何故疲労と姿勢が関係しているのか?』ということを理解すれば
『姿勢を良くしていれば本当に疲労が取れ易いし、疲労が溜まりにくくなるのだろうか?』
という不安を解消することにもつながります。
特に姿勢を改善している途中は、今までよりも疲れた感じが強くなる時期も無くはないので、そういった時期に姿勢を改善することを諦めてしまう方も多いです(ある時期を乗り越えれば疲労が溜まりにくいことを感じて頂けるのですが・・・)。
ですから、そういった不安な時期に知識を持っていることは、姿勢を意識することへのモチベーションの維持にもつながると思います。
ですから『姿勢の改善を継続する』というモチベーションを下げない様にする為にも、よろしければ最後までご覧頂ければと思います。
今回参考にした本:『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論 運動器系』『身体運動学 関節の制御機構と筋機能』『ストレングストレーニング&コンディショニング』
目次
良い姿勢になると疲労は回復し易くなる?
では『姿勢と疲労の関係性を』解説する為に、まずは『疲労を取る為には何が大事なのか?』ということについて解説していこうと思います。
まず疲労を回復する為に重要な要素の一つとして挙げられるのが
『血流を良くすること』
です。
疲労を回復するためには様々な栄養や適度な酸素が必要です。
そして、そういった酸素や栄養は血液で体の至る所に運ばれます。
ですから、疲労を取る為には、血流を良くすることが大事となってくるのです。
ちなみに、そんな血流を良くする要因の中の一つに
『姿勢を改善する』
と言うものがあります。
例えば、姿勢を良くすると動き易くなる筋肉の中に『腓腹筋』という筋肉が有ります。
ちなみに腓腹筋をイラストで見るとこの筋肉。
この筋肉は足まで流れていった血液を心臓に戻す為のポンプの様な役割を持っています。
その為、姿勢が良くなり腓腹筋がきちんと動くことで、足に流れていった血液がきちんと心臓に戻ります。
そしてその結果、全身の血流も改善する可能性が高くなるのです。
また、姿勢が改善された時に動く様になる『肩甲舌骨筋』という筋肉も、血流に関係しています。
ちなみに肩甲舌骨筋はイラストで見るとこの筋肉。
この筋肉がきちんと動くことで、内頸静脈という血管の血液の通りが良くなります。
その結果、顔や頭に流れていった血液が、きちんと心臓まで流れていき、頭や顔に新鮮な血液が流れて行き易くなり、脳や目などの疲労は回復し易くなるのです。
この様に、姿勢と血流の関係性は深いと言えます。
そして血流と疲労の回復も関係している訳ですから、
『姿勢は疲労の回復と関係している』
という事も言えるんですね。
疲労が溜まりにくくなる事とも姿勢は関係している
ちなみに姿勢を良くし血流が良くなるということは疲労をためにくくすることにも関与しています。
先程も述べましたが、新鮮な血液が体に行き届いていれば、栄養や酸素が適度に運ばれる可能性が高いということですからね。
そして、そういったことから考えると、栄養や酸素が常に適度に体に与え続けられれば、疲れがたまりにくくなるという事も何となく理解して頂けるのではないでしょうか。
また、姿勢を良くすることで疲れがたまりにくくなる要因は他にも有ります。
その要因として挙げられるのが
『インナーマッスルを使うから』
と言うものです。
インナーマッスルとは体の奥深くに有る筋肉で、コアマッスルなどと言われる場合も有ります。
実は良い姿勢になると、このインナーマッスルが働くことで姿勢を維持しようとします。
ちなみに、インナーマッスルをイラストで見るとこんな感じ。
このイラストの様にインナーマッスルは背骨や関節に沿うようにして付いています。
また、お腹側からもお腹の圧力を高めることで姿勢を維持できる様になっています。
そして、そんなインナーマッスルは基本的にミオグロビンと言うタンパク質が多く含まれています。
このミオグロビンは酸素を筋肉内に取り込み貯蔵しておくことができ、このミオグロビンが多い筋肉は持久力に優れていると言われています。
ですから、そういったことから考えると
『ミオグロビンの多いインナーマッスルは持久力に優れていて疲れにくい』
と言う事ができますよね。
そして、良い姿勢になるという事は、そんなミオグロビンの多い持久力に優れたインナーマッスルを使うということです。
ですから、そういったことから考えると
『良い姿勢になることは疲れにくくなる事でもある』
と言うことができるんですね。
まとめ
ここまで述べてきたように、姿勢を良くすることは
- 疲労の回復を早める
- 疲労をたまりにくくする
といったメリットを与えてくれます。
ですから、個人的には良い姿勢を意識して、疲労を感じにくい生活を目指して頂けたらと思っています。
ただし、姿勢を良くすると言ってもただ胸を張れば良いという訳では有りません。
ですから、良い姿勢についての知識を身に付けて頂いてから、姿勢の改善をすることをオススメ致します。
ちなみに当院のブログでは、自分で姿勢を改善する時に意識して欲しいポイントについて解説した記事も書いております。
自分自身で姿勢の改善を目指したい方の参考にはなると思いますので、よろしければそちらの記事もご覧頂ければと思います。
ただし、自分自身で良い姿勢を目指すことは、それなりに難しいことでも有り、何年という単位で時間が掛かることが多いです。
ですから、『早く姿勢を改善したい』と言う考えをお持ちの方は、姿勢改善のプロに相談することをオススメ致します。
そして自分自身に合った方法で。
さらに、自分のできる範囲で姿勢改善に取り組んで頂ければと思います。
この記事を書いた人
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施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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