ストレッチはケガのリスクを高める?
写真:Pixabay
ケガをしてしまったのでしょうか?
競技中にできるだけケガはしたくないですね。
ということで今回は競技前に静的ストレッチをおススメできない理由について。
なぜ私が競技前にストレッチをしない方が良いと考えているのか。
そのあたりを簡単に書いていこうと思います。
目次
ストレッチはケガの予防にはならない?
「ケガの予防には運動前の入念なストレッチが大事」ということが常識になっています。
しかしそのような常識は誤解らしく、1998年にオーストラリア陸軍で行われた実験では、「ストレッチはケガの予防に効果がない」という結果が出ているようです。
それどころかケガのリスクを高めしまう可能性も有るらしく、クロアチアのザグレブ大学の研究チームは「45秒以上同じ個所を伸ばさないように」と警告しています。
ストレッチがケガのリスクを高めてしまう要因1、筋肉の反応が悪くなる
ではなぜストレッチがケガのリスクを高めてしまうのでしょうか?
その要因の一つとして挙げられるのが前回のブログでも触れた脊髄反射の低下です。
脊髄反射が低下するということは、筋肉の反応速度や筋力も落ちているということです。
その結果、筋肉の動きの連動性が微妙に狂い、競技中にバランスを崩すことが多くなったり、転倒したりすることが多くなります。
このようなことから、ケガをする確率も上がってしまうのではないかと思います。
さらに筋肉の動きの連動性が失われることにより、効率的な動きができなくなるため、筋肉にかかる負担も増えるでしょう。
そうすると筋肉系のケガのリスクも増えるわけですから、そういったことからも運動前の静的スットレッチはケガのリスクを高めてしまう可能性があると考えています。
ストレッチがケガのリスクを高めてしまう要因2、関節が緩みすぎてしまう
さらにストレッチがケガのリスクを高めてしまう要因があります。
それは関節が緩みすぎてしまうことです。
これも前回のブログでふれましたが、関節の靭帯や関節包という組織はある程度の緊張をすることで関節の動きをスムーズにします。
しかしストレッチをすることで靭帯や関節包が緩みすぎてしまう可能性があります。
そのように関節が緩みすぎてしまうことで、関節の動きはスムーズではなくなります。
そして関節がスムーズに動かなくなることで、関節に掛かる負担が増えてしまうのです。
さらに、スムーズに動かないものを動かそうとすることは、それだけで負担が大きい訳ですから、体を動かす原動力となる筋肉にも負担が掛かり、筋肉系のケガのリスクも増えてしまいそうですよね。
このようなことも、ストレッチがケガのリスクを高めてしまう要因であると考えられます。
まとめ
このように前回のブログから述べてきた理由から競技前に静的ストレッチを行うことはお勧めできないのです。
もちろん、静的ストレッチが全ての状況において悪いわけではなく必要とする時もあります。
ですが、競技前にはできるだけ静的ストレッチを行わず、動的ストレッチを行って欲しいというのが個人的な意見です。
ちなみに動的ストレッチをどのように行えば良いのかという個人的な考え方もあったりします。
ですから次回は動的ストレッチについて簡単に書いていこうと思います。
ということで。
それでは皆さんまた次回♪
この記事を書いた人
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施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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