梨状筋症候群は坐骨神経痛の原因では無い?

坐骨神経痛の原因の一つである『梨状筋症候群』。

そんな梨状筋症候群は、坐骨神経痛の原因では無い可能性が有ります。

ということで、今回は

『梨状筋症候群は坐骨神経痛の原因では無い可能性が有ります。』

ということについて解説をして行こうと思います。

『何故、梨状筋症候群は坐骨神経痛の原因では無いのか?』ということについて理解することで、梨状筋症候群に悩んでいる方の新たな改善方法を見つけるきっかけにもなると思います。

そしてそれは、梨状筋症候群による坐骨神経痛を根本的に改善する可能性を高めることにもつながると思いますので、よろしければ最後までご覧頂ければと思います。

梨状筋症候群のメカニズム

では、『梨状筋症候群が坐骨神経痛の原因ではない理由』について理解して頂く為に、まずは梨状筋症候群のメカニズムについて解説していこうと思います。

梨状筋症候群とは、梨状筋などの臀部(お尻)の筋肉に坐骨神経が圧迫され、その坐骨神経の圧迫が原因で坐骨神経痛が出るとされている疾患です。

では梨状筋症候群をもう少し理解し易くする為に、イラストでもう少し詳しく解説していきます。

梨状筋は臀部に有る筋肉で左右両方に有りますが、今回は右の臀部に注目していきます。

まずは体全体のイラスト(後姿)から。

そして梨状筋などの筋肉は臀部に有るので、上のイラストの水色の○で囲んである部分を拡大します。

そしてさらに右の臀部から太ももにかけての皮膚を透明にして中を見てみましょう。

臀部の内部には、こんな感じで骨盤と大腿骨が有ります。

そして、この骨盤に梨状筋などのお尻の筋肉(インナーマッスル)をつけてみましょう。

臀部にはこんな感じでインナーマッスルが付いています。

そしてこのインナーマッスルの間から坐骨神経が出ています。

イラストで見るとこんな感じです。

ちょっと見えにくいかもしれないので、インナーマッスルの間から坐骨神経が出ている様子をもう少し拡大したイラストもどうぞ。

この様な感じで、坐骨神経は梨状筋などの臀部のインナーマッスルの間を通ってます。

そしてイラストにも有る梨状筋などのインナーマッスルが固くなってしまうと、インナーマッスルが坐骨神経を挟む様な感じになってしまい、坐骨神経は圧迫されてしまいます。

そしてインナーマッスルが坐骨神経を圧迫してしまうと、坐骨神経痛になってしまうというのが『梨状筋症候群』のメカニズムだとされています。

ちなみに、今回のテーマである『梨状筋症候群は坐骨神経痛の原因では無い?』という事を理解するためには『梨状筋などのインナーマッスルに坐骨神経が圧迫されるから坐骨神経痛になる』というポイントが非常に重要です。

ですから、

『梨状筋症候群は、坐骨神経が圧迫されることで坐骨神経痛が出てしまうとされている』

というポイントはしっかりと覚えておくようにして下さい。

※ちなみに、梨状筋症候群での坐骨神経の圧迫のされ方には、インナーマッスルに挟まれる以外のパターンも有るのですが、今回はその点についての解説は省きますね。

そもそも神経の圧迫は坐骨神経痛の原因では無い?

ここまで解説してきた様に、『梨状筋症候群において坐骨神経痛を引き起こしているのは、神経の圧迫である』とされてきました。

しかし、実は最近の研究結果から『坐骨神経痛の原因は神経の圧迫では無い可能性が高い』ということが分かってきました。

ちなみにその研究は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症での研究です。

ですから、『梨状筋症候群とは関係ないじゃないか』と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症における坐骨神経痛も神経の圧迫が原因とされてきました。

ですから、『神経の圧迫で坐骨神経痛になる』という点では梨状筋症候群と同じと言えます。

そして、先ほどの研究から考えると『神経の圧迫は坐骨神経痛の原因では無い可能性が高い』という事が言えます。

ですから、

『坐骨神経の圧迫が原因とされる梨状筋症候群も坐骨神経痛の原因では無い可能性が高い』

という事が言えるんですね。

※椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の研究について解説した記事も有りますので、興味のある方はそちらの記事もご覧ください。

まとめ

ここまでお話ししてきたように梨状筋症候群は坐骨神経痛の原因では無い可能性が高いです。

ですから、従来の梨状筋症候群の理論の元に提唱されてきた治療で改善しなかったとしても、まだ他に治療方法は有るかもしれないということになりますし、梨状筋症候群が慢性化して中々改善しないという方も諦める必要は無いという事でも有ります。

ちなみに、私の個人的な考えとしては、梨状筋症候群での坐骨神経痛も姿勢が大事だと思っています。

当院ブログでは、その考え方について解説した記事も有りますので、参考までに読んで頂ければと思います。

そして、梨状筋症候群における坐骨神経痛を改善する為に、治療に励んで頂ければと思います。

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この記事を書いた人

塚越 弘憲
塚越 弘憲塚越接骨院 院長
施術歴10年

整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。

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