足の痛みに悩まされている方に知って欲しい。脛の痛み。シンスプリントとは?
写真:GATAG
これはトラックの長距離のレースですかね?
ということで、今回は長距離ランナーに多い足の痛み。
シンスプリントについて簡単に書いていこうと思います。
目次
シンスプリントとは
シンスプリントとは、長時間走ることで脛の後側ろの筋や腱などに炎症や微細損傷を起こし痛みを発するスポーツ傷病です。
基本的に走る量が多い競技に起き易く
・陸上(特に多い)
・サッカー
・バスケ
などの競技者が発症することが多いです。
年齢的には中学生~高校生に多いです。
症状
症状は
「走っている時に脛が痛む」
という場合がほとんどです。
この時に患部を押すと痛みが出ることも多いです。
痛みの出る場所はこのあたり。
ちょっとアバウトですが、青丸で囲んである辺りが痛みます。
脛の下の方の内側なんですね。
原因
前述したとおり原因は長時間走るなどです。
長時間走ることで痛みが出るあたりの筋や腱に負担が掛かり炎症を起こします。
また後脛骨筋という筋肉が痛みの出るあたりに擦れることで痛みが出るのではないかという考えも有ります。
ちなみに後脛骨筋はこれです。
この絵は右足を後ろから(踵の方から)見た絵です。
擦れても不自然ではないですね。
負担を大きくしてしまう要因
患部への負担が大きくなることで起きてしまうシンスプリントですが、負担を大きくしてしまう要因があります。
その要因は大きく分けると二つ。
・使いすぎ
・ランニングフォームに偏りがある
というものです。
この二つの要因が重なることで負担が大きくなりシンスプリントになってしまいます。
「使いすぎ」で負担が大きくなる
この「使いすぎ」は簡単に言えば「練習のし過ぎ」です。
練習量が多くなることで患部への負担は大きくなります。
その結果、患部に炎症が起きたり損傷が起きてしまいます。
ランニングフォームに偏りがあることで負担が大きくなる
「走る」という動作は様々な筋肉をバランス良く使うことで負担の少ない効率的なフォームになっていきます。
しかし走る時に使う筋肉のバランスが悪くなってしまうと負担が大きくなってしまいます。
その結果、患部に炎症や損傷が起きやすくなってしまいます。
治療について
症状を改善させるためには電気治療などして改善を早める方法などが有ります。
しかしシンスプリントは患部への負担が大きくなってしまうことが原因です。
ですから患部への負担を少なくしてあげることが特に大事になってきます。
患部への負担を少なくする方法として
・休む
・テーピングなどで補強する
・筋肉のバランスを良くする
というものが代表的です。
休むことで負担を減らす
トレーニングを休んだり、減らしたりすることで患部に掛かる負担を軽減し症状を改善します。
休むことはかなり重要で、症状の改善のみならず、競技復帰後のトレーニングの効率を上げることにもつながります。
逆に痛みがある状態は、体全体に疲れがたまりすぎている証拠でもあります。
そのような体の状態でトレーニングを行ってもあまり身に付きません。
ですから、休むことは重要で、可能な人はできるだけ休むという選択をして頂くことをお勧めします。
しかし休むだけでは再発の予防まではできません。
ですから休むということ以外にも再発予防を行うことが大事になってきます。
テーピングなどで補強することで負担を減らす
テーピングなどで関節の動きを制限することで患部への負担を減らす方法です。
この方法の最大のメリットは「休まなくても比較的症状を抑えられる」という点です。
しかし、先ほども述べた通りできるだけ休むことをお勧めしたいので、テーピングは「最後の大会が近い」など仕方ない理由がある時だけにして欲しいと考えています。
さらに、テーピングは関節の動きを制限するものです。
その結果、全身の動きがぎこちなくなってしまうこともあり、そういった意味では本当の改善や再発予防とは言い難い面もあるでしょう。
筋肉のバランスを良くすることで負担を減らす
前述したとおり、筋肉のバランスが偏ることで患部への負担が増えてしまいます。
そのような筋肉のバランスを整えることで、患部への負担を減らすことができます。
ただし筋肉のバランスを整えるということは、今まで使っていなかった筋肉を使うことでもあります。
そのような使っていなかった筋肉を使うことは、的確な指導の他に、患者さん自身の「集中力」や「継続する力」大事となってきます。
ですから筋肉のバランスを整えることは、患者さんにとっては少し大変かもしれません。
ですが、的確に筋肉のバランスを整えることができれば、症状の改善や再発予防、上手くいけば競技のパフォーマンス向上にもかなりの効果が期待できるので、筋肉のバランスを整えることまで行うことが理想的です。
治療期間
筋肉のバランスを整えるところまで行った場合の治療期間は、個人差はありますが2~4週間くらいになることが多いです。
ただし筋肉のバランスは管理を怠ると崩れてきます。
ですから、筋肉のバランスが崩れないようにするために、セルフケアなどでトレーニングを継続し、管理することが大事になってきます。
まとめ
シンスプリントは長期化したり、再発もあるスポーツ障害です。
ですが患者さん次第で早期改善も予防もできるものです。
少し大変かもしれませんが、治療も練習の内と思って色々とトライして頂きたいと思っています。
この記事を書いた人
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施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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