猫背を改善する為、猫背の時に身体で何が起きているのかを知りましょう。
猫背を改善する為には、猫背を良く知ることが大事です。
ということで、今回は『猫背の時に背骨周辺では何が起きているのか?』ということについて、解剖学を交えながら詳しく解説していこうと思います。
猫背を詳しく知ることで、猫背の予防や改善に役立つと思いますので、最後まで読んでみて下さい。
目次
猫背で起きていること
では早速、猫背になっている時に起きていることを述べていこうと思います。
猫背とは背中が猫の様に丸くなってしまっている姿勢です。
イラストで見るとこの様な感じです。
ちなみに正しい姿勢はこちら。
比べてみると、差は一目瞭然ですね。
ちなみにそんな猫背になっている時は背骨周辺の組織に異常が起きています。
それは以下の3つです。
- 椎間板が潰れている
- 靭帯が伸びている、または縮んでいる
- 背骨の筋肉(インナーマッスル)が機能しなくなっている
猫背になると背骨周辺の組織にこのようなことが起きてしまいます。
ではそれぞれ詳しく説明していきます。
椎間板がつぶれている
ではまず『猫背の時に椎間板が潰れてしまう』ということについて説明していきます。
背骨には椎間板という組織が有ります。
椎間板とは背骨と背骨の間に有りクッションの役割をしている組織です。
ちなみに正常な椎間板をイラストで見るとこのような感じです。
このイラストは背骨の一部を取り出したものです。
猫背になっていない時の椎間板は上のイラストの様になっています。
しかし、猫背になると椎間板に掛かる荷重が大きくなってしまい椎間板が潰れてしまいます。
その様子もイラストで見てみましょう。
この様に猫背になると椎間板に掛かる荷重が大きくなってしまい、椎間板は潰れてしまうのです。
ちなみに椎間板が潰れてしまうメカニズムについて詳しく解説した記事も有りますので、宜しければこちらの記事もご覧下さい。
そして、このイラストの様に椎間板が潰れた状態が長期間続くと、椎間板を元に戻すのに時間が掛かってしまいます。
ですから、椎間板が潰れた状態が長くなるほど、猫背の改善に時間が掛かってしまいます。
また、椎間板が潰されている時間が長すぎると、椎間板が元に戻らないことも有るので、猫背はできるだけ早く、そして若いうちに改善・予防をした方が良いでしょう。
靭帯が伸びすぎたり縮みすぎたりしてしまう
次に『猫背の時は靭帯が伸びすぎたり縮みすぎたりする』ということについて説明していきます。
身体には靭帯という組織があります。
靭帯は骨と骨が離れないようにしている組織で、背骨にも付いています。
正常な背骨の靭帯をイラストで見るとこのような感じです。
良い姿勢になっている時の靭帯は、この様に適度に張っている感じで骨と骨がずれたり曲がりすぎたりしないようにしています。
しかし、猫背になると下のイラストの様に、背骨についている靭帯は縮みすぎたり伸びすぎてしまいます。
この様に猫背になってしまった時は、背骨の靭帯に異常が起きてしまうのです。
ちなみに猫背になった時に縮んだ靭帯は、縮んだ状態が長期間続くと縮んだ状態のまま硬くなってしまいます。
この様に、縮んだまま硬くなってしまった靭帯は、正常な柔軟性に戻すのに時間が掛かります。
ですから、猫背を長期間放置しておく時間が長ければ長い程、猫背を改善するのにも時間が掛かってしまいます。
筋肉(インナーマッスル)が上手く機能しなくなる
では最後に『筋肉(インナーマッスル)が上手く機能しなくなる』ということについて説明していきます。
背骨周辺には、姿勢を良くする時に働く筋肉があります。
この筋肉は、手では触れないくらい身体の深いところにあり、インナーマッスルとも呼ばれている筋肉です。
この筋肉が正常に機能することで、背骨は綺麗に積み重なった状態で適度に固定され、ずれたり曲がったせずに安定します。
ちなみに背骨周辺の筋肉が正常に機能し、適度に張っている様子を描いたイラストがこちら。
イラストの様に背骨から背骨に付いているので、背骨が曲がったりズレたりしないで安定するんですね。
この様に、背骨を安定させている筋肉(インナーマッスル)ですが、猫背になることで下のイラストの様に伸びすぎた状態になってしまいます。
この様に背骨の筋肉が伸びてしまうと筋肉の血流が悪くなり、筋肉が正常に機能しなくなってしまうのです。
そうすると背骨は上手く安定せず、ずれたり曲がったりし易くなり、肩こり・腰痛・坐骨神経痛などの様な痛みの原因となってしまうことも有ります。
まとめ
ここまで述べてきた様に猫背になっている時は、椎間板・靭帯・筋肉に問題が出ている場合が多いです。
そして、猫背を治すということは、それらの問題を改善するということでもあります。
ですから、猫背を治す手段を見つけ、そして選択していくためにも、今回の記事を参考にして頂けたらと思います。
この記事を書いた人
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施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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