肩こりについて。
現在の社会ではパソコンやスマートフォンが欠かせないものになっています。
その結果、以前よりも肩こりに悩まされている方は、とても多いのではないでしょうか?
そんな現代人に多い肩こりの原因は様々で、原因によって治療方法が変化してきます。
また、患者様自身の『肩こりに対する考え方』によっても、患者様に合う治療方法は違います。
つまり、『肩こりを一時的に緩和できれば良い』と考えている人と、『肩こりを根本的に改善し肩こりの出にくい体に改善したい』と考えている人では、治療内容が全く違うということです。
ですから、そういったことを踏まえて、今回は『肩こりの原因と治療方法』について解説していこうと思います。
- 自分自身の肩こりの原因は何なのか?
- 自分の考え方に合った治療は何なのか?
ということを知ることで、『自分自身に合った治療』を自分である程度探せる様になると思います。
そして、自分自身に合った治療を自分で探せる様になれば、無駄に治療を受けてしまう機会を減らせるので、時間とお金を無駄に消費しなくても済むようになると思います。
また、できるだけ早く自分の目的を達成し、患者さまが納得する結果を得る為の近道にもなると思いますので、よろしければ最後までご覧頂ければと思います。
※参考にした本:『オクスフォード・生理学』『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論 運動器系』
目次
肩こりの原因
では、まずは肩こりの原因について解説していこうと思います。
肩こりの原因は様々で、その中でも代表的なものが以下の様なものです。
1.疲れ
スマートフォンやパソコンを長時間続けている時は姿勢が悪くなり、首の骨が正常な角度から曲がってしまいます。
そのように首の骨が曲がった状態になると、首の骨周辺の血管の流れが悪くなったり、首の骨を支える為に無駄に筋肉を使わなければなりません。
その結果、肩や首の筋肉や関節に疲れがたまり肩こりになることが多いです。
しかし、このパターンの肩こりは疲れが取れれば治まることが多いです。
ですから、疲れが取れた翌日には肩こりを感じなくなっていることが多いです。
2.肩や首周辺の筋肉や靭帯を痛めている
肩や首周辺の筋肉・靭帯を痛めている時でも肩こりの症状が出ることがあります。
靭帯などを痛めると、炎症が起きるのですが、この炎症時に出る物質の中に、プロスタグランジンなどの痛みを誘発する物質も含まれています。
これらの物質の影響で『肩こり』という痛みを起こすことが有ります。
ちなみに肩こりを引き起こすケガや痛みの具体的な例としては以下の様なものがあります。
- むち打ちや寝違え
- 首、肩周辺の筋損傷
- 五十肩
また、ストレートネックや首の歪みが有ると、首や肩周辺の組織に損傷が起きやすいということも有るため、ムチウチなどが慢性化した場合は、姿勢や歪みなどが根本的な原因として潜んでいる可能性も有ります。
3.ストレス
ストレスによって肩こりが出る場合もあります。
人がストレスを感じる時はホルモンの影響で血管が収縮したり、筋肉が必要以上に緊張してしまいます。
そのような体の反応から肩や首の血流が悪くなり、肩こりの症状が出てしまうことが有ります。
また、ストレスを感じる時に出るホルモンは痛みの神経を過敏にしてしまう効果も有るため、その様な理由から肩こりを感じてしまうことも多いです。
現在の世の中はストレスの多い社会ですので、ストレスが原因で肩こりになってしまっている方も多いかもしれませんね。
4.首の形
首の形に原因があり、肩こりが出ることもあります。
具体的な例としては「ストレートネック」や、いわゆる「歪み(ゆがみ)」などと言われるものです。
脊柱や関節の構造が曲がると、血管の開通が悪くなったり、曲がっている頸椎を支える為に筋肉が必要以上に緊張してしまいます。
そのような事が起きると頸椎から肩の周囲の血流が悪くなり、肩こりの原因になってしまうことが有ります。
スマフォやパソコンを長時間続けていると、首の変形や歪みが生じやすい為、首の形に問題が有り肩こりを感じている方も、現代社会には多いかもしれませんね。
ちなみに、首の形に問題が有る場合は、肩こりが慢性化していることが多いです。
ですから、肩こりが慢性化している場合は、首の形に問題が有ることを疑った方が良いかもしれません。
5.内科的な病気が原因の場合
内科的な病気が原因で肩こりの症状が出ることがあります。
具体的な例としては、心筋梗塞の前駆症状(前ぶれ)として肩こりが出る場合などです。
ですから、「肩こりが内科的な疾患が原因なのかどうか?」は一番注意しなければならないことです。
ちなみに内科的な病気から肩こりが出ている時は、不定期に痛みが強くなったりすることが多いので、その様な時は内科的な疾患を疑うべきだと考えています。
ですから少しでも不安な場合は、まずは病院に相談することをお勧めします。
肩こりの治療方法
では、次に肩こりの治療方法について解説していこうと思います。
治療の効果や注意点についてまとめて有ります。
ちなみに、肩こりの治療で重要なのが、
一時的に肩こりを改善する為の治療なのか?、それとも、根本的に肩こりを改善し肩こりを感じにくい体に変化させる治療なのか?
といった点です。
そういったポイントを知ることで『自分の考え方に合った治療は何なのか?』ということを見つけ易くなると思いますので、意識しながら読み進めてみて下さい。
※これから書く肩こりに対する治療は、内科的な病気以外の原因に対するものです。
電気治療
肩に電気を当てることで肩こりを和らげる方法です。
電気を当て、身体に刺激が加わることで
- 一時的に痛みを感じにくくさせる
といった効果が期待できます。
また、精神的にリラックスさせることで
- 血流の促進
- ストレスの解消
といった効果も期待できます。
しかし電気を強く当てすぎると、ストレス解消と血流の促進に関しては逆効果になる可能性が有るので注意が必要です。
またストレートネックや歪みが原因の場合、電気治療で首の形を変えることはできませんので、一時的に肩こりを感じにくくなりますが、再び痛くなることが多いです。
こういったことから考えると、電気治療は根本的な治療というよりは『対症療法』としての意味合いが強く、『一時的に肩こりを楽にする手段である』と言えるでしょう。
ちなみに電気治療の効果などについて詳しく解説した記事も有りますので、詳細を知りたい方はこちらの記事もご覧頂ければと思います。
マッサージ
マッサージで肩こりを緩和する方法です。
マッサージをすることで身体はリラックスすることができ、
- ストレスの解消
- 血流の促進
といった効果が期待できます。
またマッサージで患部に刺激を与えることで
- 痛みを感じにくくさせる
という効果も期待できます。
ただし、電気治療と同様に強くマッサージをしすぎるとリラックス効果が薄れてしまうため、血流とストレスに対しては逆効果になる可能性が有ります。
ですからマッサージの強さには気を付けて頂きたいですね。
また、首の歪みや姿勢を治す効果などは無いため、慢性的な肩こりに対しては、対症療法としての意味合いが強く『一時的に肩こりを和らげる治療』ということができるでしょう。
そしてマッサージの効果についても詳細を解説した記事が有りますので、詳細を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
鍼灸治療
鍼やお灸をすることで肩こりを緩和する方法です。
鍼やお灸も身体をリラックスさせることで、
- ストレスの解消
- 血流の促進
と言った効果が期待できます。
さらに、鍼を打った場所は局所的にアデニンという物質が増え、そのアデニンの影響から
- 痛みを感じにくくさせる
といった効果も期待できます。
ですが、こちらも電気治療やマッサージ治療と同様で、強すぎる刺激は逆効果になってしまうことが有るので、鍼やお灸の刺激の強さには十分気を付けて頂きたいですね。
また、姿勢などを治す効果などは無いため、慢性的な肩こりに対しては、対症療法としての意味合いが強く、『一時的に肩こりを緩和する為の治療』という事ができるでしょう。
この鍼灸治療の詳細についても解説した記事が有りますので、鍼灸治療について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
痛み止めの薬・湿布薬
痛み止めの薬を飲むことで
- 痛みを緩和する
という効果が期待できます。
即効性がありますが、胃に負担が掛かるなどのリスクがあります。
やはり、姿勢などを取る効果はないので、慢性的な肩こりに対しては、一時的に痛みを和らげる対症療法としての意味合いが強くなります。
姿勢を改善する
姿勢を改善することで肩こりを和らげます。
姿勢を良くすると肩の筋肉が適材適所で上手く動く様になるため、肩の筋肉を無駄に使うことが無くなります。
その結果
- 疲労がたまりにくくなる
- 疲労回復
といった効果が期待できます。
また、姿勢を良くすることで首の形も正常化するため、首から肩にかけての血管が開通します。
その様なことから、
- 血流の促進
効果も期待できます。
これらの効果は、姿勢を維持できている間は効果が持続するため、他の治療よりも大きな効果を手に入れることができるでしょう。
また、慢性化している肩こりは姿勢などに問題があることが多いです。
ですから姿勢改善は、根本的な原因を解消できる治療でもあります。
ですから、そういったことから考えると、姿勢を改善することは、『肩こりの無い生活を目指したい方にはとても合っている治療』と言えるでしょう。
ちなみに、肩こりと姿勢の関係性について解説した記事も有りますので、ご興味のある方はそちらの記事もご覧ください。
但し、姿勢は改善しても、自分で維持する意識がある程度なければすぐに戻ってしまいます。
ですから、姿勢を維持するためのセルフケアを継続する必要がある点は少し大変な点であると言えるでしょう。
しかし、姿勢を改善することは肩こりの改善だけでなく、体に様々なメリットを与えてくれる可能性を高めてくれる方法でも有ります。
ですから、そういった肩こり改善以外に得られるメリットの事も考えると、セルフケアなどの努力は無駄ではないと思います。
ちなみに姿勢改善で得られるメリットについての詳細を解説した記事も有りますので、詳細を知りたい方はそちらの記事もご覧頂き、姿勢の大事さを確認して頂ければと思います。
まとめ
この様に肩こりには様々な原因があり、治療も様々です。
そして肩こりの原因だけでなく、患者さまがどのようにして肩こりと向き合うかによっても治療方法は変わってきます。
ですから、患者様自身が自分に合った肩こり治療を探すためにも、今回の記事を役立てて頂けたらと思います。
この記事を書いた人

- 塚越接骨院 院長
-
施術歴10年
整形外科や接骨院で研修を重ねる中で姿勢の重要さに気付く。
それ以来、解剖学・生理学だけでなく、力学・生物学・進化学といった分野の科学的根拠にも基づいて姿勢改善と言うものを考え続ける。
今ではそれらの知識を活かし『本当の良い姿勢』についてお伝えしながら皆様の姿勢改善と健康をサポートしております。
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肩こりではありませんが、姿勢をよくする体操と肩周りを柔らかくするストレッチを毎日しているおかげか、すこぶる体が軽いです
自分の周りで、首と肩が痛いと言う人がいるので体操を教えてあげたのですが、なかなか続けてくれません。
体は変われることを、分かってほしいのでしつこく言い続けてみようと思います(~_~)
くるぶしさん、いつもコメントありがとうございます!
体が軽くなったようで良かったです!
体操をすると日常生活でも疲れがたまらないので、体操をしたほうが得ですよね!
お知り合いも体操の大事さを理解してくださると良いですね♪